気になること

夾竹桃の毒の成分や致死量はどのくらい?トリカブトとどちらの方が強い毒性?

夾竹桃という美しい木花があります。

 

白や赤のきれいな花が咲き、街路樹とし
てもあちこちに植えられていますので、
眼にした方も多いかと思います。

 

夾竹桃は公害に強いので、街路樹などに
用いられることが多いそうです。

 

また千葉市、尼崎市、広島市、鹿児島市
などの市町村の花にも指定されています。

 

しかしこの夾竹桃、こんなにきれいなの
有毒なのです。

 

しかも、その毒性はトリカブトなどと比
べても、勝るとも劣らないという怖い植物です。

 

まさに美しいものには毒がある、という代表例ですね。

 

そこで今回は、夾竹桃の毒の成分や致死
量はどの位なのか、トリカブトとどちら
の方が毒性が強いのかなどを調べてみました。

死を呼ぶ花!夾竹桃!

「死を呼ぶ花!夾竹桃!」などと、セン
セーショナルな項目名をつけてしまいま
したが、実際に夾竹桃の毒性はかなり強いのです。

 

しかも、花とか実などの一部のみにその
毒があるのではなく、
夾竹桃の全ての部分に毒があります。
その毒があることから、害虫も避けて通
るという、「虫避けお夾」なのです。

 

夾竹桃の毒のある場所は、枝、葉、花、
実、根など全体に毒があります。

 

また夾竹桃そのものだけでなく、
周辺土壌にも毒が及んでしまいます。

 

中でも最も毒性が強いのが枝と葉です。

 

剪定などで枝の切り口からでる汁が素手
につくと、皮膚炎などの中毒症状が起こります。

 

また、夾竹桃は経口中毒性が非常に強い
ので、誤って口に入れないように注意し
ましょう。

 

夾竹桃の毒による症状は、嘔気・嘔吐・
四肢脱力・倦怠感・下痢・非回転性めま
い・腹痛などが多いです。

 

さらには、毒が入ってから症状が現れる
までが非常に速いという特徴もあります。

 

世界での夾竹桃の毒による症例は、
このようなものがあります。

 

枝を箸代わりに利用し、中毒を起こした

1975年フランスで夾竹桃の枝を串焼きの
串に利用して7名の死亡者発生

1980年に、千葉県の農場で牛に与える
飼料の中に夾竹桃の葉が混入した

この飼料を食べた乳牛20頭が中毒をおこし、
そのうちの9頭が死亡した。

 

混入した量は、牛1頭あたり、
乾いた夾竹桃の葉約0.5g程度だった

毒の成分と致死量は?

夾竹桃には、最も強い毒として、
オレアンドリンという成分が含まれています。

 

含まれている部分は葉が最も多いのです
が、その致死量は0.30mg/kgです。

 

つまり、体重1キロあたり0.3mg、
60キロの人ですと、18mgで死ぬ
ということになります。

 

尚、単位はmgで1000分の1グラムです。

 

これは僅か0.018グラムのオレアンド
リンを摂取すると、普通の人間は死
ぬということです。

 

強毒の代表である青酸カリの致死量は、
150~300mg/kgなのですから、その毒
性の強さがおわかりかと思います。

 

夾竹桃はオレアンドリンの他にも、同種
の強心配糖体であるネリアチン、アジネ
リン、デアセチルオレアンドリンなどを含んでいます。

 

まるで毒の塊のようなものですが、なぜ
これほどの毒性分を持つのかはよくわ
かっていません。

 

一つには毛虫(蛾などの幼虫)がよりつ
かないようにということで、他にもこの
ような毒性分を持つ花は幾つかあります。

 

中毒症状
としては、疝痛、下痢、頻脈、運動失調、
食欲不振などがあります。

 

主病変は重度のカタル性か出血性胃腸炎
ですが、場合によっては咽頭の炎症を伴
うこともあります。

 

心臓、奬膜および粘膜では、点状又は斑
状出血がありますが、この出血は膀胱お
よび髄膜でも見られます。

 

摂取してしまった場合の対策
としては、
経口摂取の場合は、まずは病院へ行くことです。

 

手などに汁がついた場合は、流水でよく
洗い、その後病院へいきましょう。

 

眼に入った場合は失明の恐れもあります
ので、夾竹桃の剪定などする場合は、
ゴーグルやマスク、手袋は必需です。

 

トリカブトとの毒性の比較は?

トリカブトの別名は、

  • クイーン・オブ・オール・ポイズンズ(全毒の女王)
  • ウルフズ・ベイン(狼の毒)
  • ウィメンズ・ベイン(女の毒)
  • デビルズ・ヘルメット(悪魔の兜)

などと、恐ろしげなものが多いのですね。

 

その名の通り、毒性植物最強の王者とされています。

 

高さは1.8メートルほどに成長し、
その全てに毒があります。

 

毒の成分は、アコニチンというもので、
20~40ミリリットルで平均な成人を2~
6時間で死に至らしめるという強力さです。

 

中毒の初期症状は悪心、嘔吐、下痢など
で、続いて次にしびれ、灼熱感、ヒリヒ
リ感が起こります。

 

そして運動麻痺や心室性不整脈から、
心臓麻痺と呼吸麻痺へと至ります。

 

トリカブトと夾竹桃の毒性の比較で
すが、

トリカブトの致死量は0.2~1mg/kg

夾竹桃の致死量は0.30mg/kg

と、ほぼ互角ということになります。

 

植物毒の王者トリカブトと互角というこ
とは、夾竹桃も植物毒のチャンピオンク
ラスなのですね。

夾竹桃とはこんな花

では最強クラスの毒を持つ、夾竹桃とは
どんな花なのでしょうか。

 

夾竹桃は、リンドウ目キョウチクトウ科
キョウチクトウ属に属します。

 

学名は「Nerium oleander」で、花言葉は

『油断大敵』『危険な愛』『用心』

です!

 

やはり最強の毒を持つということで、
花言葉も怖いものばかりですね。

 

原産地はインドで、日本へは中国を経て
江戸時代中期に伝来したそうです。

 

花が咲くのは6月から9月にかけてで、
花弁は五弁あります。

 

色は白と赤が多いのですが、他にも
ピンクや黄色など多種あります。

 

白い花は一重咲き、桃色の花は八重咲き
が多いようですね。

 

夾竹桃は、非常に繁殖力の強い植物で、
排ガスが充満する繁華街の街角にも、
街路樹として植えられています。

 

広島では被爆当時は不毛の大地で草木は
生えなかった所にも、この夾竹桃は
最初に花を咲かせたそうです。

 

そして、市民に希望の光りを与えてくれ
た花として、復興のシンボルとなり、夾
竹桃は広島市の花になったと言われています。

 

猛毒を持つために夾竹桃を食べる昆虫は、
ごく少数のみです。

 

黄色のキョウチクトウアブラムシが、新
しく伸びた枝に寄生し、新芽やつぼみを
シロマダラノメイガの幼虫が、内部を食べたりします。

 

九州の一部や沖縄では、キョウチクトウ
スズメ(鳥のスズメではなく、スズメガ
科の一種)の幼虫が、葉を食べます。

 

これらの幼虫は、他に植物はいくらでも
あるのに、なぜわざわざ夾竹桃のような
毒性の高い植物を食べるのでしょうか?

 

ひとつには、他の昆虫が決して食べない
植物を食べれば、
その食べ物を独占できるからです。

 

もう一つ、その有毒な植物の毒を体にた
めれば、自分も有毒になり、敵の餌とさ
れることも少なくなります。

 

なぜこれらの昆虫が毒に影響を受けない
のかは、未だ判明していません。

 

これは、ヒキガエルとヤマカガシの関係
にも似ていますね。

 

アオダイショウさえ避けて通るヒキガエ
ルは、ヤマカガシの大好物なのです。

 

ヤマカガシの首の下にはヒキガエルの毒素
を貯蔵する器官があり、いざという時には
その毒を敵に吐きかけます。

 

生き物とはなんとも不思議なものなのですね。

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結び

夾竹桃は白や赤の花を咲かせる美しい木です。

 

公害にも強いので街路樹として植えられています。

 

しかし、夾竹桃の全ての部分には猛毒が
あり、その毒は周辺土壌にまで及びます。

 

夾竹桃の毒は、
オレアンドリンという成分です。

 

その致死量は0.30mg/kgで、
60キロの人ですと、18mgで死ぬ

ということになります。

 

猛毒の代表である青酸カリでさえ、
その致死量は、150~300mg/kgなのですから、
その毒性の強さがおわかりかと思います。

 

毒性の強い植物としては、トリカブトが有名です。

 

トリカブトの致死量は0.2~1mg/kg

夾竹桃の致死量は0.30mg/kg

と、トリカブトと夾竹桃はほぼ互角なのです。

 

まさに美しいものには毒がある、という代表ですね。

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