川魚には寄生虫がいるという話をよく聞きますね。
イワナやヤマメのように
源流近くの水のきれいな所に
住んでいる魚にさえ
屡々寄生虫が発見されるのです。
ニジマスには寄生虫はいるのでしょうか。。
ニジマスの刺身などは安全なのでしょうか。
いくつもの疑問が湧いてきますね。
今回はそのニジマスには
- 寄生虫はいるのか
- いるとしたらどんな寄生虫なのか
- 感染した場合はどうなるのか
- その対策はどんなものなのか?
そんな疑問に答えるために、ニジマスのことを調べてみました。
ニジマスにいる寄生虫は?
まず、ニジマスにいる
寄生虫はどんなものがあるのでしょうか?
以下にニジマスにいる
可能性のある寄生虫を
列挙してみましたがニジマスの場合は、
天然ものと養殖物では、非常に大きな違いがある
という点に注目してください。
これについては、後に説明いたします。
- アニサキス
- 横川吸虫(ヨコガワキュウチュウ)
- 日本海裂頭条虫(サナダムシ)
- 広節裂頭条虫(コウセツレットウジョウチュウ)
- 顎口虫(ガッコウチュウ)・有棘顎口虫
- 肝吸虫(カンキュウチュウ)
川魚の寄生虫でもっとも多いのが
横川吸虫とアニサキスですが
ニジマスでは横川吸虫は
学者さんの報告書を見ても、
天然養殖を問わず発見されていません。
もっともこの報告書は神奈川限定なので
他の場所ではどうなるかわかりませんが
まずいないのではないかと思われます。
ということで
ニジマスの場合は一番問題になるのは
アニサキスでしょう。
ニジマスにアニサキスはいるのか?
ズバリ書いてしまうと、
天然のニジマスにはかなり多くいるが、養殖のニジマスにはほとんどいない
ということになります。
こちらはニジマスにいる
アニサキスの動画ですが
かなりグロなのでその手のものに弱い方は要注意!
但し、養殖ものにはいないと言っても
養殖方法に条件があり
それを満たしていれば、生食でもまず大丈夫でしょう。
養殖ニジマスのエサはドライペレットで
養殖の場所も隔離されている
というのがその条件ですが
日本国内に限ればほとんどの養殖場が
上の条件に合致すると思われます。
各種の報告書でも、養殖ニジマスに
アニサキスが発見された例は
ほとんどないのです。
というわけで、
く管理された養殖ものに限定すれば、
ニジマスには寄生虫の心配は
ほとんどないと言えるでしょう。
人間に入るとどうなる?
それでは、アニサキスとはどんな寄生虫なのでしょうか。
アニサキスは海川を問わず
魚の寄生虫でもっとも多いものです。
。
アニサキスが人間の体内に入ると
食後数時間後から十数時間後に
胃の周辺に痛みと悪心、嘔吐などが起こります。
これが急性胃アニサキス症です。
その後、食後十数時間後から数日後に
下腹部に痛みと腹膜炎症状がおきます。
これは急性腸アニサキス症と言われています。
幸い、アニサキスによる症状は
あまり重篤な場合は少なく
ほっておいても治る場合もかなりあります。
又、大半は胃の症状だけで
腸に症状が起こることは少ないのですが
腸の場合は医師による医療が必要です。
アニサキスの特効薬は
今の所ありませんので
天然物の生食は避けた方が無難でしょうね。
ニジマスの寄生虫に感染しない対策は?
ニジマスの寄生虫に
感染しない対策としては、
天然のニジマスは生食しない
というのがまず第一の対策でしょう。
これまでに養殖もののニジマスで
寄生虫が発見された例は殆ど無く
大半は天然物のニジマスからなのです。
この場合、水がきれいだからとか、
釣ってすぐ食べるからなどは全く関係ありません。
どんなにきれいな渓流でも
寄生虫がいる場合もありますし
寄生虫は魚の鮮度とは関係ありません。
どうしても天然物のニジマスを
食べたいという場合には
こんな方法もあります。
- 良く焼く
- 冷凍する
- 肉眼で見てアニサキスを取り除く
良く焼けば、寄生虫は全て死に、全く心配はいりません。
但し、表面は焼けていても
内部迄火が通っていない場合は
感染の恐れは残ります。
冷凍する場合は
-20度以下で2日間程度冷凍すれば
大半の寄生虫は死にますが
焼く場合よりは寄生虫が生き残る可能性は高いです。
つまり、よく焼くのが最も確実で簡単な
ニジマスの寄生虫除去の方法なのです。
尚、イワナや鮎などの
川魚の危険性については
こちらにも書いておりますので
ご参考まで。
イワナに寄生虫はいる?どんな虫で危険性や刺身で食べる時の対処法!
鮎にいる寄生虫はどんなの?人間に起きる症状や食べない対策は!
結び
魚の寄生虫は、海川に関係なく、大半の魚にいると考えた方がよいようです。
ニジマスも例外ではなく、特に天然ものにはアニキサスなどの寄生虫が見つかっています。
そのあたりが心配なので、養殖ニジマスでもやはり十分焼いた方が安全でしょうね。