山菜はほろ苦く独特の風味があって、
とてもおいしいですね。
その山菜の中でも、山菜の王と呼ばれる
のがタラの芽です。
独特の香りと風味で人気の高い山菜なのです。
天ぷらが最も一般的ですが、おひたしや
あえ物も乙なものですし、洋風の素材と合
わせることもできます。
そんなタラの芽などの山菜は、養殖もの
ならスーパーなどでも売られていますが、
自分でとることもできます。
山菜採りというと、なにやら難しそうに
聞こえますが、イワナ釣りなどしていま
すと、渓流のほとりに自生していたりもします。
今回は、そんな山菜の王タラの芽の取り方や、獲れる時期や場所、必要な道具などを紹介していきます!
Contents
タラの芽の取り方・時期と場所は?
タラの芽(タラノキ)の別名は
タランボ、オニノカナボウ、
タラッポなどとも言います。
また、ツノ落としや、トリトマラズとい
う変わった異名もあります。
ツノ落としは鹿がこの芽を食べると、そ
の後鹿のツノが落ちることからだそうですよ。
また、トリ止まらずは、鳥さえとまれな
い程トゲが多いことから来ているようですね。
英名はAralia sprout、学名は
Aralia elataとなっています。
種は、セリ目ウコギ科タラノキ属です。
日本全土に分布していて、花期は8月ごろが多いです。
冬場は全て落葉し、まるで枯れ木のよう
に一本の棒になってしまいます。
高さは3mほどで、あまり枝分かれせず
上に真っ直ぐに伸びています。
特徴は枝に鋭い棘があることで、採取に
は注意と用意が必要です。
このタラノキの新芽が「タラの芽」なのです。
女だら(メダラ)と男だら(オダラ/オンタラ)
という、面白い呼び方もあります。
山野に自生しているタラのキは、白っぽ
く幹や枝の表面に鋭い棘が沢山あるので、
男だら(オダラ/オンタラ)と呼ばれています。
山菜採りの時には、この棘がウルシとの
見極めに有効なのですが、この棘が少な
い女だら(メダラ)という種類もあります。
栽培には主にメダラが用いられています。
タラの芽の取り方・時期と場所は?
タラの芽のとれる時期は、3月~5月
が旬の時期ですが、北国や山間部では
6月頃まで採れることもあります。
野生のタラの芽を採る場合は、あまり遅
くでは既に他の人たちに取られてしまっ
ていたり、育ちすぎてしまっていることも多いのです。
ですので、やや早めの方が効率よくとれるでしょう。
タラの芽が採れる場所は、里山や山間部
のなど、日当たりのよ
い場所に生えていることが多いのです。
林道や道路脇など、人が人工的に木を伐
採して日光が当たりやすくなっている場
所に多く生えています。
ただ、そのような場所は見つけやすいた
め、他の人にとられてしまっていること
も多いのです。
そんな時には、周囲の藪の中なども念入りに
探すと見つかることもあります。
タラの芽は、生長が早くて上に伸びる性
質のため、手が届かない上の方に新芽が
生えていることが多いのです。
棘は非常に鋭く、また多いので
丈夫な手袋は必需品です。
これについては次項で詳しく書きます。
それと、高い所にある新芽をとる時には、
枝を折ったりすると、木が枯れてしまう
恐れがあります。
なので、枝を手繰り寄せるひっかけ棒の
ようなものがあると便利です。
このひっかけ棒は傘などでも代用できます。
先端を手に持って、
曲がった柄の部分でひっかけるわけですね。
タラの芽を採る時の注意点
注意点としては、以下のような点があります。
- 枝を折ったり切ったりしないこと
- 側芽・胴芽を採らないこと
- 棘の部分で怪我をしないように丈夫な革手袋などを着用する
- 間違ってウルシを採らないようにする
枝を折ったり切ったりしないことは、
来年も又シーズンにはタラの芽がと
れるようにするためです。
側芽・胴芽を採らないことも、同様の理由からです。
全ての側芽をとってしまうと、芽を伸ば
すことができなかったタラノキは、
立ち枯れしてしまいます。
タラノキとウルシを間違えると、かぶれ
てしまい、ひどいめにあいます。
ウルシは一見タラノキに似ていますが、
やや赤く枝には棘がないことで判別できます。
タラの芽取りの服装と道具は?
タラの芽取りの服装
服装は丈夫で動きやすいものがよい
でしょう。
山菜採りでは、時にはヤブ漕ぎや川の中
に入ったりもします。
そのため、丈夫で動きやすく、多少濡れ
ても乾きやすく、寒さを感じないような
服が最適です。
おすすめは登山用の衣服で、上の条件は
全て満たしています。
他には、作業服やツナギなども適しています。
足ごしらえは重要で、地元の人は地下足
袋などを使うことも多いようですね。
一般的には、やはり登山靴か軽登山靴、
トレッキングシューズなどがよいでしょう。
その他の道具類
その他の道具類としては
このようなものがあります。
- 帽子
- 手袋
- ルックザック又は背負い籠
- 熊鈴
- アウトドアナイフ又は剪定バサミ
- 登山アプリ
- 虫よけスプレー
- 懐中電灯
- 携帯電話
- 軽食・非常食
- 飲み物
帽子は簡易ヘルメットがあれば最高です
が、他には虫よけネット付きの帽子が良
いでしょう。
手袋は非常に重要です。
タラノキの棘の鋭さは並大抵のものではありません。
軍手ではあっさり通してしまいますので、
丈夫な作業用革手袋がおすすめです。
ルックザック又は背負い籠ですが、背負
い籠はなれないと疲れるので、登山用の
デイパックあたりが良いかと思いますよ。
熊鈴は熊避けには必帯です。
山の中には、熊や猿、猪などの野生動物
が住んでいます。
熊鈴があれば、人間がいることが動物に
伝わりますので、不時の遭遇を未然に防
ぐことができます。
アウトドアナイフ又は剪定バサミは、
タラの芽をとるためです。
これがあれば、棘に刺される危険性も減ります。
虫よけスプレーもあれば、役に立ちます。
懐中電灯や携帯電話は、非常時用です。
軽食・非常食、飲み物は、勿論お弁当でも
ありますが、道に迷うなどのトラブルが
あった場合にも、持っていれば心強いでしょう。
GPS機能付きの登山アプリは、現在地を
確認できますので、非常時には役に立つ
でしょう。
もっとも、実際に役に立つ事態には、
あまり陥りたくないものですが・・・
タラの芽の保存方法
タラの芽は特に保存がしにくい山菜で、
常温では1~2日が限度です。
それ以上経つとえぐみと苦みが増して
おいしくなくなります。
もう少し長く保存したい時は、以下のよ
うな方法で、約1週間ほど持たせることもできます。
タラの芽を水にさらす
新聞紙で空気の通り道を作るようにゆるく包む
空気穴をあけたジップロックに入れる
冷蔵庫の野菜室で保存する
タラの芽は
冷凍保存すれば、1ヶ月程度は保存できます。
付け根のハカマを取り除いてよく水洗いをする
塩を水に対して1%程度の塩水で、1分半ほど茹でる
冷水にさらして灰汁(アク)を抜く
水気をきって、小分け用として、アルミホイルで包んで冷凍保存する
タラの芽の食べ方は、天ぷらがもっとも
好評ですが、その他胡麻和えや胡桃和え、
含め煮やおひたしなども中々美味です。
他には、林檎とタラの芽の和え物とか
タラの芽のパスタなど、色々とレシピ
が考えられているようですね。
結び
タラノキの異名で「トリ止まらず」とい
うものがありますが、鳥さえとまれない
程トゲが多いことから来ているようです。
タラの芽採りの時には、この棘がウルシ
との判別に有効なのですが、この棘は
非常にやっかいです。
タラの芽が採れる場所は、里山や山間部
の開けた林道や斜面など、日当たりのよ
い場所に生えていることが多いのです。
取り方は棘に注意しながら、ナイフなどでとるのが一般的です。
また、棘防止用として厚手の革手袋は必帯です。
服装も登山服やツナギなどが適しています。
タラの芽とりは山の中で行うので、熊用
の熊鈴や非常用の懐中電灯、非常食など
も用意しましょう。