食べ物・料理

チョウセンハマグリの生態や特徴は?潮干狩りで取った後はどうするべき?

潮干狩りというと、まずアサリというこ
とになります。

他にはハマグリも獲れますが、アサリに
比べると1/10以下の量でしょうね。

 

私たちは単に「ハマグリ」でひとくくり
にしていますが、日本で獲れるハマグリ
には何種類かあるようです。

 

国内産の、ハマグリ・チョウセンハマグリ、
海外が原産のシナハマグリ、タイワンハマ
グリ、それにミスハマグリなどです。

 

チョウセンハマグリというからには、朝
鮮半島が原産かと思うのですが、実はれっ
きとした日本原産のハマグリなのです。

 

なぜ日本原産なのに「チョウセンハマグ
リ」というのか、そのあたりも不思議な
ところです。

そこで今回は、チョウセンハマグリの生
態や特徴、潮干狩りでも獲れるものなの
かなどをみていきましょう!

チョウセンハマグリの生態や特徴は?

チョウセンハマグリの種は、

科 : マルスダレガイ科 Veneridae
属 : ハマグリ属 Meretrix
種 : チョウセンハマグリ M. lamarckii

となっています。

ハマグリは種がハマグリなので、
ごく近縁の貝です。

 

しかし、残念なことに、このハマグリは
千葉県レッドデータブックでは、
野生絶滅になっています。

 

現在千葉県で獲れるハマグリは、外洋産
のチョウセンハマグリなのです。

 

したがって、現在「ハマグリ」と総称さ
れている貝は、チョウセンハマグリと
シナハマグリなどがほとんどです。

 

日本産なのになぜ「チョウセンハマグリ」
というのかについては、定説はありません。

 

大洗の観光協会や全漁連のコラムでは、
「汀線蛤」と表記されています。

この汀線とは、海水面と海浜との境界線
のことを指します。

 

つまり、海水面と海浜との境界線にいる
貝だから、「汀線蛤」(チョウセンハマ
グリ)ということになります。

 

朝鮮半島のチョウセンではなかったのですね。

しかし、海水面と海浜との境界線にいる
貝といえば、チョウセンハマグリには限
らないのではありませんか?

 

大半の貝は海水面と海浜との境界線にい
るのではないでしょうか?

 

このあたりがよくわからないところではあります。

ハマグリ属に属する貝は、

  • ハマグリ 日本(本州以南の内湾 絶滅に近い))
  • チョウセンハマグリ 日本(鹿島灘以南)からフィリピン
  • シナハマグリ 朝鮮半島から中国
  • タイワンハマグリ 台湾、ボルネオなど
  • ミスハマグリ ベトナム,海南島など
  • 他に東南アジアからインドにかけて5種あり

などがありますが、生態などはあまりよ
く判明していないものが多いようですね。

チョウセンハマグリの生態は

生息域は北海道南部から九州で、内湾性です。

淡水の流入する所で干潟から水深12メー
トル前後までに生息しています。

 

産卵期は5月から10月にかけてで、孵化し
た卵はベリジャー幼生というプランクト
ン期を経て稚貝になります。

 

潮の流れや波などの潮流にのって、海底
から30センチ~1.5メートルほど
浮き上がって移動することができます。

 

餌は珪藻類、有機物などを漉し取って
食べているようですね。

 

この摂食方法は、カンブリア紀以降現在
まで,多くの二枚貝の基本的な食性であ
ると考えられています.

尚、タイラギの記事にも書きましたが、
貝にはカニやエビが、殻の中に共生する
ことがあるのです。

 

タイラギにはカクレエビが、ハマグリに
はピンノという小さいカニが入っている
ことがあります。

 

こちらがカクレエビです。

この共生(寄生?)の詳しいメカニズム
などは不明ですが、生物には面白いこと
が沢山ありますね。

養殖はできないの?

 

野生絶滅や絶滅危惧種に指定されるほど
少なくなったハマグリですが、ならば養
殖すればよいのではとは、誰しも考えますよね。

勿論、専門家達も当然養殖を考え、研究もされています。

しかし、中々大量養殖までには至らないようです。

その理由の一つは、粘液を長く出して、
筏のように波に乗って移動してしまうからなのです

これはハマグリの特技とも言うべきものです。

 

そのため、ハマグリの養殖には、逃げな
いように囲い網が必要とのことです。

また密漁もあるようです。

ハマグリの漁は深いところを狙うので、
船で爪の付いた網を引いて獲るそうです。

 

高く売れるので、密漁船もかなり出没
しているようなのです。

 

しかし、密漁船はすばやくとってすば
やく立ち去らなければなりません。

 

そのため、船の速度を上げざるをえないそうです。

ところが、船の速度を上げると、ハマグ
リは吸水管を引っ込める間もなく、網に
入ってしまいます。

 

すると、慌てて殻を閉じるため、
吸水管を自分の殻で切ることになります。

 

というわけで、目と斧足の切れたハマグ
リに出会ったら、それは密漁品かもしれませんよ。

ハマグリは昔からひな祭りや婚儀に使われていました。

 

ひな祭りにはハマグリのお吸い物がつき
ものですよね。

現在でも雛祭の3月3日の前、1週間前後
がもっともハマグリ類の出荷が多いそうです。

ハマグリが潮干狩りでとれたら?

潮干狩り場で獲れるのは、アサリがほとんどです。

 

他にはハマグリも獲れますが、数は
アサリの1/10位でしょうね。

 

潮干狩り場でも、ハマグリはアサリがと
れる場所よりやや沖合の、若干深い所で
獲れるようです。

しかも、狭義のハマグリやチョウセンハ
マグリは皆無です。

有料の潮干狩り場では、自然の状態の貝
ではなく、お金を出して集めた貝をまく
わけです。

ですので、まくハマグリも、絶滅に近い
狭義のハマグリやチョウセンハマグリで
はなく、輸入のシナハマグリです。

 

日本で売られているハマグリの90%はシ
ナハマグリなので、潮干狩り場に撒か
れるハマグリもシナハマグリになります。

 

ハマグリの見分け方は、

  • ハマグリ:貝殻に光沢があって模様もあり
  • チョウセンハマグリ:貝殻が分厚くて光沢はあるが、色は白いものが多い
  • シナハマグリ:光沢が少なめでVやWの模様が多い

ということですが、普通の人にはまず
見分けはつかないでしょうね。

 

ハマグリを持ち帰るには

まずは水道水で充分に洗ってぬめりや泥
を取り、貝の表面に付いた腸炎ビブリオ
菌などを洗い落とします。

 

真水で洗ったら、水で湿らせた新聞紙に
くるんで、クーラーボックスへ入れます。

 

クーラーボックスには保冷剤を入れ、
15度℃前後に保ちます。

 

クーラーボックスがない場合には、発泡
スチロール箱などで代用もできます。

 

保冷剤が直接貝に触れないように、
新聞紙などでくるみます。
家で砂抜きをする時の海水を、ペットボ
トルなどに入れておきます。

 

家に帰るまでは、できるだけ衝撃を与えな
いようにしましょう。

振動や衝撃があると、貝は驚いて身を
貝殼に挟んで、傷ついてしまいます。

 

貝の砂抜きは、平な容器に海水を入れ、
貝が重ならないように並べます。

 

その後、暗い場所で一晩置いて、アサリ
の口が開き、飲み込んだ砂が抜けるのを
待ちます。

砂が抜けたら、冷蔵庫に保管すれば2~3
日位は新鮮な状態で食べることができます。

 

ハマグリの新種?ホンビノス貝

今や日本のハマグリは絶滅に近い状態で
すが、そこへ救世主?が現れました。

それが「ホンビノス貝」です。

 

最近はスーパーにも出回るようになり、
認知が進んでいるようです。

 

「白はまぐり」「大アサリ」などの異称
もありますが、一体どのような貝なので
しょうか。

これは北アメリカ原産の貝ですが、外見
ハマグリとよく似ています。

 

色が白いことを除けばハマグリと見間違えそうですね。

 

味の方も、ハマグリと甲乙つけがたい
おいしさとのことですよ。

現在日本でのホンビノス貝の本場は、
船橋・市川にまたがる三番瀬近辺です。

 

船橋漁協が漁獲高を調べ始めた2007年度
の漁獲高は190トン、2013年度には
560トンにまで増加しています。

 

これは船橋だけで、往時の日本全国のハ
マグリの漁獲量に匹敵します。

 

最近は潮干狩り場でも獲れるようになってきました。

外来種ではありますが、アサリとは獲れ
る環境が違い、ハマグリは既に事実上絶
滅状態なので、悪影響はないようです。

 

しかも100歳以上も生きるという長寿の貝
で、環境汚染にも強いという、スーパー
マンならぬスーパー貝なのです。

 

ハマグリ価格の高騰に悩む日本にとって
は、救世主になるかも知れませんね。

 

結び

ハマグリには、国内産のハマグリ・チョ
ウセンハマグリと、海外が原産のシナハ
マグリ、タイワンハマグリ、それにミスハマグリなどがあります。

 

チョウセンハマグリといっても、朝鮮半
島の原産ではなく、れっきとした
日本原産のハマグリです。

 

大洗の観光協会や全漁連のコラムでは、
「汀線蛤」と表記されています。

 

この汀線とは、海水面と海浜との境界線
のことをいいます。

 

つまり、海水面と海浜との境界線にいる
貝だから、「汀線蛤」(チョウセンハマ
グリ)というわけです。

 

残念ながら狭義のハマグリは絶滅に近い
状態で、このチョウセンハマグリも
年々漁獲量はへり、危険な状態にあります。

 

養殖も研究されていますが、大量養殖は
中々困難なようですね。

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