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鯉のぼりの一番上にあるものは何?名前の名称や由来やある理由とは?

天の果てまで突き抜けて見えそうな五月晴れ。

その空に颯爽と泳ぐ大きな鯉たち。

 

言わずと知れた鯉のぼりです。

 

端午の節句の象徴ですね。

 

でも考えてみたことはありませんか?

 

なんで川に住む鯉が、空を泳ぐのだろうって。

 

それに鯉のぼりには、鯉以外にいくつも
のパーツがくっついています。

 

それも鯉より上の方に、いくつもの
ケッタイなものがついているのです。

 

丸いカゴのようなもの、車の車輪のよう
なもの、一見鯉に似ているが鯉ともどこ
か違うもの。

 

なんで鯉のぼりには、こんな妙なものが
幾つもついているのでしょうか?

 

というわけで、今回は鯉のぼりの一番上
にあるものは何なのか、各部の名称や意
味、鯉のぼりの由来などを探ってみました!

鯉のぼりの一番上にあるものは何?

5月5日は、国民の祝日の1つ「こどもの日」です。

 

「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福
をはかるとともに、母に感謝する」とし
て、1948年(昭和23年)に「こどもの日」と制定されました。

 

端午の節句とも言い、男の子のお祝いの日ですね。

 

女の子の桃の節句(ひな祭り)と対にな
り、子供にとっては楽しい一日です。

 

この端午の節句には、鯉のぼりを掲げる
習わしがあります。

 

都心部では土地の関係で、長さが数メー
トルもある大きな鯉のぼりはほとんど見
られません。

 

しかし、郊外や河川敷などでは、下から
見てもぎょっとする程巨大なのが、悠然
と空を泳いでいることがあります。

 

そしてその鯉のぼりをよく見ると、鯉の
上には色々な奇妙なものがくっついて
るのです。

 

上の画像を見てください。

 

一番上には丸いカゴのようなものがつい
ていて、その下には2つの車輪のようなも
のがあります。

 

更にその下、黒い鯉の上には鯉に似たひ
らひらがついています。

 

一番上の丸いカゴ状のものは、「駕籠玉」
と呼ばれ、その下の車輪は「矢車」と言わ
れています。

 

この2つは「招代(おきしろ)」と呼ばれ
る、「神様、こちらです!」と呼び
込むためのツールです。

その下の鯉まがいのひらひらは、
「吹き流し」といいます。

ところが、この駕籠玉と矢車の2つの招代
は、昔は身分の高い武家でなければ、使
用はできなかったのです。

 

そこで庶民が使えるツールとして登場した
のが、この吹き流しなのです。

 

駕籠玉は神様がおりてこられる目印とさ
れることから、「天球(てんきゅう)」
という呼び方もあるようです。

 

「幸」や「福」が入りますようにと籠を
丸く作り、天に向けて飾ります。

 

当初はかごの中に「お榊(さかき)」や
「杉の葉」を入れていましたが、後に
金箔を貼るようになりました。

 

金箔をはったきんきら豪華で目立つ
「駕籠玉(かごだま)」はたちまち
大流行。

 

その後には武将の持つ弓矢をイメージ
て、矢の羽で作った2つの車輪を左右に飾
り中心に中が空洞の矢車も飾るようになりました。

矢車は、当初は木材や竹で作られていて
いたのですが、長持ちしないため現在の
ような素材で作られるようになりました。

 

また矢車には、邪気を討ち払う「魔よけ」
の意味と、矢には「幸福を射止める」
意味があると言われています。

 

鯉のぼりは、

  • 駕籠玉と矢車は「神様への目印」
  • 吹き流しは家族の大切な守られた場所、「家」
  • 鯉のぼりは父母と子供の「家族」

という深い意味のある飾りなのです。

 

鯉のぼりの各部の意味は?

現在一番的な鯉のぼりは、上から順にこ
のようなものが飾られています。

 

  • 駕籠玉(天球)
  • 矢車
  • 吹き流し
  • 真鯉・黒(父の鯉)
  • 緋鯉・赤(母の鯉)
  • 緋鯉・青その他(子供の鯉 複数飾られることも多い)

吹き流しの意味

鯉のぼりの吹き流しは、華やかな5つの
色で彩られています。

 

鯉のぼりの吹き流しには、

黒・赤・青・黄・白の5色
が使われています。

 

この5色にもそれぞれ意味があるのです。

 

前項で、鯉のぼりは父母と子供の家族を
表すと書きました。

 

そのように考えられるようになったのは、
それ程昔のことではなく、
昭和20年代以降のことです。

 

黒い鯉(真鯉)は父親、赤い鯉(緋鯉)
は母親、青やその他の色の鯉は子供
ということになります。

 

端午の節句は男の子をお祝いする行事の
ため、昔は真鯉(黒い鯉)だけを飾って
いたのです。

 

ところが、明治時代になると、真鯉(黒
い鯉)と緋鯉(赤い鯉)が父母の象徴
して加わります。

 

その後更に、青色の鯉が子供のシンボル
として加えられるようになりました。

 

これで家族となったわけですが、現在で
は黄色や緑、紫、オレンジなど、様々な
色の鯉が空を泳ぐようになったのです。

 

ところで、吹き流しの黒・赤・青・黄・
白の5色には、また別な意味もあります。

 

それが「陰陽五行説」というものです。

 

もともとは中国の「陰陽説」と「五行説」
(五行思想ともいう)からきています。

 

陰陽説は、この世の万物は陰と陽の二つ
で構成されている、という思想です。

 

五行説は
万物は木・火・土・金・水の5種類の元素
からなるという説です。

 

5種類の元素は「互いに影響を与え合い、
その生滅盛衰によって天地万物が変化
し、循環する」という思想なのです。

 

木・火・土・金・水の行

木行(青)

植物の成長・発育する様子を表し、「春」の象徴。

 

火行(赤)

赤く燃える炎が元で、火のような灼熱の
性質を表し、「夏」の象徴。

 

土行(黄)

植物の芽が地中から発芽する様子が元で、
万物を育成・保護する性質を表し、「季
節の変わり目」の象徴。

 

金行(白)

土中の鉱物・金属が元で、冷徹・堅固・
確実な性質を表し、収獲の季節「秋」の象徴。

 

水行(黒)

泉から涌き出て流れる水が元で、これを
命の泉として胎内と霊性を兼ね備える性
質を表し、「冬」の象徴。

 

吹き流しは、元々は駕籠玉や矢車などを
使うことを禁じられた一般人が、それに
代わる魔除け的な意味で使うようになったものです。

 

しかし、現在では駕籠玉や矢車に加えて、
吹き流しや5色の鯉などフルセットで使
われるようになっています。

 

尚、五でくくるものは、他にも色々とあります。

 

  • 五行 木 火 土 金 水
  • 五色 青 赤 黄 城 黒
  • 五情 喜 楽 怨 怒 哀
  • 五方 東 南 中 西 北
  • 五官 目 舌 口 鼻 耳
  • 五獣 青竜 朱雀 麒麟 白虎 玄武
  • 五徳 仁 義 礼 智 信

駕籠玉を作る人

駕籠玉を現代でも作っている人は、
非常に少ないようです。

 

その中の1人が、行方市玉造西蓮寺の
籠師吉田平さんです。

 

14歳の時から籠師の修業をはじめ、後に
籠師として一本立ちしました。

 

しかし、駕籠玉作りだけでは生計を営む
のは大変だったようで、30年も運転手を
兼業していたそうです。

 

作られた駕籠玉は、なんと直径70センチ
もある大きなものだそうですよ。

 

出典 八郷の日々

鯉のぼりの由来は?

冒頭で、「なんで川に住む鯉が、空を泳
ぐのだろう?」と書きましたが、それに
はやはり、ちゃんといわれがあったのです。

鯉のぼりの由来は中国での言い伝えにあります。

 

昔々の中国には、激流「龍門」があり、
そこを登り切った魚は霊の力や不思議な
力が宿り、龍になると言われていました。

 

登竜門という、そこを通ることができれ
ば、必ず出世すると言われる門もそこか
らきているそうですよ。

 

ある時、ある勇気のある鯉は、龍になり
たくてその滝にチャレンジしたのです。

 

その際、滝上にいる龍に食べられないよ
うにと、龍が苦手とする鉄矢と五色の糸
を用意して滝を登りきりました。

 

後に、この鉄矢は棒の上の矢車に、五色
の糸は吹き流しへと変化して、端午の節句
で子供たちを守る魔除けとなったのです。

 

結び

鯉のぼりを良く見ると、随分色々なものがついていますね。

 

上から順に、駕籠玉、矢車、吹き流し、
その下に鯉たちというようになっています。

 

鯉の上の駕籠玉、矢車、吹き流しは、神
様が下る時に目印だったり、家のシンボ
ルだったりします。

 

いずれも、下にいる鯉一家を守るための
神聖な役目のあるものです。

 

鯉の色もそれぞれ、父・黒、母・赤、
子供達・青その他と、対応した色と
なっているのです。

 

普段何気なく見過ごしている鯉のぼりに
も、曰くや由来はあるのですね。

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