気になること

こぶしと木蓮の違いとは?見分け方や区別するポイントや方法!

「こぶし」という花があります。

 

白い清楚な美しい花なのです。

 

字は「辛夷」と書き、それで「こぶし」
と読ませますが、中国ではこの
辛夷は木蓮を指します。

 

その位こぶしと木蓮(白木蓮)は似ているのですね。

 

もっとも、こぶしは日本が原産ですが、
木蓮と白木蓮は中国が原産です。

 

おそらくは、中国の木蓮を見て「日本に
も同じ花があるな」ということで、辛夷
の字を当てたのでしょうね。

 

それがなぜ「こぶし」なのかは、その
果実の形状が握り「拳」に似ているから
です。

 

というわけで、今回は花のそっくりさん
「こぶし」と木蓮(白木蓮)の違いと、
見分け方のポイントなどを見てみましょう。

こぶしと木蓮の違いと見分け方

注 この項では木蓮は主として
白木蓮を扱っています。

 

その違いは、主として色で、木蓮は白も
ありますが紫系の色のものも多く、白木
蓮は名前通り白がメインです。

 

こぶしと木蓮(白木蓮)ですが、確かによく似ていますね。

 

一見しただけだと、どちらがこぶしでど
ちらが木蓮かは、まるでわかりません。

 

それもその筈、こぶしと木蓮(白木蓮)
は、分類上同じ
モクレン目モクレン科モクレン属」の植物なのです。

 

花の色はどちらも白が主で、他にピンク
や紫など色のいた花を咲かせる木もあります。

 

しかし、同じ白い花だと本当に見分けがつきませんね。

 

では、こぶしと木蓮(白木蓮)とを見分
けるには、どこに着目したらよいのでしょうか?

 

こぶしと木蓮の違いと見分け方のポイントは?

見分けるポイントはこのような点です。

 

  • 花の大きさ
  • 花の咲き方
  • 花びらの数と形
  • 葉の付き方
  • つぼみの違い
  • 開花時期

花の大きさ

こぶし:4~5cm

木蓮:8~10cm

と倍近い違いがあります。

 

しかも、こぶしは花びらの幅が狭く、薄
くなっていますが、木蓮(白木蓮)は花
びらの幅も広く、厚みがあります。

 

花の咲き方

こぶしは花びらは全開になり、方向を定
めず四方八方を向いて咲きます。

これに対して木蓮(白木蓮)はチュー
リップのように半開きで、
全て上向きに咲きます。

 

花びらの数と形にも
違いがあります。

 

こぶし:6枚 細く薄く、しなやかな感じの花びら

木蓮:9枚 やや厚めでしっかりした花びら

葉の付き方

こぶし:花の付け根に一枚小さな葉が付いている

木蓮:花の付け根には葉がない

という違いがあります。

 

つぼみの違い

こぶしと木蓮(白木蓮)を比べると
つぼみにも違いが見られます。

 

木蓮(白木蓮)の方が、コブシよりもやや大きめです。

 

開花時期

こぶし:3月から5月にかけて、木蓮の開花から1.2週間後

木蓮:3月から4月にかけて、こぶしよりやや早い

この開花時期は、地域によって随分違い
ますので、一般的な目安の時期です。

中の島公園の大こぶしの動画です。

 

こちらは木蓮(白木蓮)の動画ですが、
見事な花ですね。

 

 

こぶしと木蓮、白木蓮とはどんな花?

それではこぶしと木蓮、白木蓮とはどん
な花なのでしょうか?

こぶしと白木蓮については、非常によく
似ていますが、前項でその違いなどを説
明いたしました。

 

木蓮と白木蓮については、ほぼ同一のも
のと見る人もいますし、やや異なると言
う人もいます。

こぶしとは

こぶしは、
モクレン目モクレン科モクレン属
に属し、日本が原産です。

 

漢字では「辛夷」と書き、学名は
「Magnolia kobus」と、こぶしそのものですね。

 

別名を「田打ち桜」といいますが、田を
打つ(耕す)頃に咲くということから来
たのでしょう。

 

こぶしの木は高さが10メートル以上ある
ものが多く、幹の太さは数十センチもあ
ります。

花は可憐ですが、かなり大きな木なのですね。

 

用途は観賞用の庭木や、街路樹としても
よく用いられますが、茶人にも好まれます。

 

茶室には、樹皮を付けたまま柱として使
われることもあるそうです。

 

また、漢方薬として鼻炎、鼻づまりなど
に使われ、生薬名は「辛夷」と、木蓮そ
のものの名になっています。

 

こぷしの花には強い芳香があるので、香
水の原料にもなります。

 

栃木県ではこぶし咲くのを目安にして、
サトイモの植えつけをするので、
「芋植え花」と呼ばれたりもします。

こぶしにまつわるエピソードとしては、
「北国の春」という歌が有名ですね。

 

作詞はいではく氏、作曲は遠藤実氏、
歌唱は千昌夫さんです。

 

白樺 青空 南風

こぶし咲く あの丘

北国の ああ 北国の春~

という故郷賛歌のノスタルジックな歌です。

 

都会で暮らす男性が、実家から届いた小
包を受け取り、早春期の故郷や家族、か
つての恋心などを想う内容となっています。

 

作詞のいではくさんは長野県の出身で、
長野県南牧村の情景を思い浮かべながら
作詞したそうですよ。

 

アメリカのブルーグラスミュージックは、
アメリカ南東部の民俗音楽的雰囲気が強
いのです。

 

楽器もドブロや5弦バンジョーやフラット
マンドリンなど、他の音楽では全く使わ
れない特殊な民俗楽器が用いられています。

 

そして、ウェストバージニアやケンタッ
キー、テネシーなどの山間の故郷をしの
ぶ歌が多く歌われているのです。

日本ではこの種の故郷を歌う音楽が少な
いだけに、北国の春は貴重ですね

 

こちらが北国の春の動画です。

 

 

もう一つのエピソードとしては、
コブシモドキの花があります。

 

コブシモドキはこぶしの近縁種で、
1948年に徳島県相生町で発見された
珍しい品種です。

 

4月中旬頃に咲く花で、花は直径
12-15cmとかなり大きいのです。

 

こぶしよりやや開花が遅いことなどが特徴です。

 

発見されたその一株以外は、その後見つ
かっておらず、またこれは三倍体である
ことから種子も出来ないのです。

それに、そもそも四国にはこぶしが自生
していないことなど、謎の多い植物とし
て現在に語り継がれています。

 

野生種は既に絶滅したと考えられていますが、
徳島県の相生森林美術館など数箇所で当時
の株から挿し木などで増やされたものが栽培されています。

環境省のレッドデータブックでは野生絶滅、
徳島県のレッドデータブックでも絶滅とされています。

 

謎多き絶滅種とは、またロマンティックな話ですね。

木蓮とは

木蓮はこぶしと同じく、
モクレン目モクレン科モクレン属

の植物で、原産は中国です。

 

花の色は紫系が主ですが、現在は単に
木蓮というと、白い花の白木蓮を指す
ことが多くなりました。

 

また、赤やピンクの木蓮もあります。

 

別名としては、木蘭(モクラン)、
木蓮華(モクレンゲ)、紫木蓮、辛夷
など多数あります。

 

さらには、コンパスフラワーという
変わった別名もあります。

 

木蓮の英名は「Magnolia・マグノリア」
というかわいらしいものです。

 

木蓮の花言葉は、『自然への愛』『崇高』
『持続性』などとなっています。

 

花の匂いもとても素晴らしく、決して強
い香りではありませんが
「華やかで上品」「柑橘系でさわやか」と言われます。

 

「マグノリア精油」の名称で販売されて
いる精油は、とてもよい香りがすると大人気です。

 

しかし、この精油はモクレンだけではな
く、コブシやタイサンボクの精油
入っているようですね。

白木蓮とは

白木蓮はこれもまた
モクレン目モクレン科モクレン属です。

 

英名は、Mulan white magnolia、
Tulip white magnolia、Lily white magnolia
など数種あるようですね。

 

別名としては、白蓮(ハクレン)、玉蘭
(ギョクラン)などありますが、
女の子の名前のようですね。

 

原産地は木蓮と同じく中国です。

木蓮の項でも書いたように、現在では単
に木蓮というと、この白木蓮を指すこと
が多くなっています。

 

モクレン属の中では最も大きい方の木で、
樹高は10-15m程度まで成長します。

 

花の色はその名の通り白い大きな花です
が、木蓮同様に上向きに咲きます。

 

結び

こぶしと木蓮(白木蓮)は非常によく似
た花で、見分けるのは容易ではありません。

 

それもその筈、こぶしと木蓮(白木蓮)
は、分類上同じ
モクレン目モクレン科モクレン属」の植物なのです。

 

その違いは、花の大きさや咲き方、花び
らの数と形で見分けることができます。

 

こぶしの花は4~5cm、木蓮は8~10cmと、
木蓮(白木蓮)の方が倍近い大きさが
あります。

 

花の咲き方は、こぶしの花は四方八方に
咲きますが、木蓮(白木蓮)は上を向いて咲くのです。

 

花びらの数も、こぶしは6枚、木蓮は9枚と違います。

 

こぶし、木蓮(白木蓮)で共通している
のは、花が美しく匂いも良いことでしょうね。

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