草花にせよ木の花にせよ、花は普通は
冬には咲かないものです。
ところがシクラメンは真冬にも咲くので、
花が少なくて寂しい冬に咲く花として
珍重されています。
小椋佳作詞・作曲で布施明の歌唱による
「シクラメンのかほり」がヒットしたた
めか、日本でも人気の花となりました。
しかし、通常のシクラメンには
全く香りはありません。
香りがあるのは芳香性シクラメンという
品種で、これは日本で開発されたものです。
香りはともかくとして、シクラメンは比
較的丈夫な花ですが、突然しおれたり、
花が倒れたりすることが時々あるのです。
今回は、そのシクラメンがしおれたり、
倒れるする理由と対処法を見ていきま
しょう。
Contents
シクラメンがしおれたり倒れたりする理由や対処法は?
シクラメンがしおれたり倒れたりする時
の理由ですが、以下のような場合が多いですね。
また、しおれた場合も倒れた場合も、原
因と対応はほぼ同じものです。
- 暑すぎる
- 寒すぎる
- 強風に当たった
- 水が足りない
- 根腐れ
以下上記によるしおれたり倒れたりする
時の対応です。
シクラメンがしおれたり倒れたりした場合の対応
倒れた場合の対応法
倒れただけで、根腐れなど起こしていな
い場合は、水を十分に与え、ひもや針金
でくくっておきます。
これだけでなおる場合もあります。
花全体が弱っている場合は、以下のような対応となります。
暑すぎる場合の対応法
シクラメンは温度に左右されやすい植物
なので、暑すぎたり、寒すぎたりは禁物です。
真冬でも、暖房が入った部屋では暑すぎ
ることがあります。
25℃以上に暖房する人は、要注意ですね。
室温が10度~20度くらいになるように調
節するか、適温の場所に置いてあげましょう。
夏場はどうしても25℃になりますが、そ
のような場合には休眠させるという方法
もあります。
夏場にシクラメンを休眠させるには
まず底面給水のお皿をはずし、鉢の上か
ら水を与えるようにして、徐々に水を控
えていきます。
水を控えていくと、次第に葉が枯れてい
き、最終的には丸坊主の状態となり
休眠に入ります。
置き場所は戸外の直射日光と雨の当たらな
い涼しい場所に置きます。
室内の場合は、風通しよく涼しい場所に置きます。
休眠にはいってからも、
土が完全に乾かない程度に水を与えます。
9月になってもまだ休眠中なので葉はありません。
一回り大きい鉢に植え替えて、休眠から覚ましてあげます。
植え替えた後は、水をたっぶりと与えます。
10月になると順調に育ち、葉数が増えます。
あと一息というところですね。
その後シクラメンを室内に戻しますが、
日当たりの良い場所におきましょう。
寒すぎる場合の対応法
シクラメンは熱さには弱いのですが、
寒さには比較的強い方の植物です。
冬場の気温が5度℃以下の場所ではまず
いですが、10度℃前後なら全く問題あ
りません。
むしろ冬場の暖房が直接当たる場所の方
が危険です。
暖房をしていない玄関などの方がよいでしょう。
強風に当たった場合の対応法
強風に当たった時も、しおれたり倒れた
りすることがあります。
しかし、室内であればシクラメンがしお
れる程の強風はありえません。
屋外に置いている場合は、風が強くなり
そうな気配なら、屋内に退避するなどし
ておきましょう。
水が足りない場合の対応法
シクラメンは、やや乾燥気味の土を好み
ますが、からからに乾燥してしまうと、
しなびてしまいます。
底面給水の鉢の場合は、鉢皿部分に
7~80%程度の水が入っている状態にします。
普通の鉢の場合は、土の表面が乾いたら、
鉢底から水が出てくるまでたっぷりと水
を与えます。
この時、花、葉茎、球根には
水をかけないようにします
余分な水は、貯めておかずにその都度捨てましょう。
余った水をそのままにしておくと、
根腐れの原因になります。
それでもしなびた状態が続く場合は、花
の部分を束にして花茎を紐で結んで立たせます。
新聞紙をシクラメンの鉢に巻いて、日陰
におき、しばらく様子を見ます。
これでも元に戻らない場合は、
巻いた新聞紙に霧吹きなどで水をかけて
湿らせます。
これを2.3日続けて様子を見ましょう。
根腐れの場合の対応法
鉢皿の水を古いままにしておくと、
根腐れを起こすことがあります。
普通鉢底面給水鉢を問わず、皿の水は常
に交換し、新鮮な水にしておきましょう。
根腐れが起きると、根から十分な水分を
吸い上げられなくなり、葉や花もしおれ
てしまいます。
根腐れが疑われる時は、まず
カビが生えていないか調べます。
カビが全く無ければ回復の見込みはあります。
清浄な水はけの良い土に植え替えること
で、回復する可能性はあります。
また、根腐れを起こして黒く変色してい
る根は、全て取り除きましょう。
シクラメンとはどんな花?
毎年秋の深まる頃になると、お花屋さん
の店頭に色とりどりのシクラメンがずら
りと勢揃いします。
もうすぐ冬が来るんだな、という感傷が
わき起こりますね。
シクラメンの学名は「Cyclamen persicum」
と言い、
属名はサクラソウ科シクラメン属になります。
別名は「カガリビバナ」、とか「ブタノマ
ンジュウ」などという、可哀想な名前もあ
るのです。
それにしても「豚の饅頭」とは・・・(笑)
原産地は、北アフリカから中近東、それ
に、ヨーロッパの地中海沿岸地域とされています。
原産地では、暑い夏(乾季)は球根で過
ごし、涼しい冬(雨季)に花を咲かせます。
花の少ない冬に咲く花として、人気絶大
なシクラメンですが、夏の暑さには弱い
ので、夏を越させる時は注意が必要です。
一法として休眠させるという手もあります。
(前項参照)
シクラメンは元々は野草だったそうで、
それが園芸品種として改良され、様々
な品種が出回っています。
その数は20種以上もありますが、秋にな
ると葉を伸ばし、冬の間成長し、春にな
ると枯れて、夏は休眠するというライフサイクルが大半です。
ですから、日本の高温多湿の夏は、シク
ラメンにとってはかなりつらい環境なの
でしょうね。
園芸品種として売られているものは、大
半が「シクラメン ペルシカム」という
種類から品種改良されたものです。
ペルシカムというからには、イランが発
生地なのでしょうか。
この品種は花は美しいのですが、日中の
温度を20度以下、夜間温度を5度~15度に
保つ必要があるという、かなり気むずかしい花でもあります。
シクラメンの名前の由来は、ラテン語の
「cyclaminos」、古代ギリシア語の
「kyklaminos」からのものだそうです。
いずれも円やらせん、うずまきを意味する言葉です。
これは原種のシクラメンは花が終わった
後は、くるりと丸まる様子から命名され
たらしいですね。
もっとも、シクラメン ペルシカム系の
品種では、丸まる茎の有様はないようですね。
花が終わると巻かずに垂れ下がってしまうのです。
日本で入手可能なシクラメンの種類は、
以下のようなものになります。
シクラメン(通常の品種)
最も多く出回っている品種です。
通常はシクラメンと言えばこれになります。
ドイツで「シクラメン ペルシカム」か
ら、園芸用に品種改良されたものです。
現在でも盛んに新種が開発され、花の色
も白・ピンク・紫・赤・混色と実に豊富です。
色だけでなく、花の形も多彩なものがあります。
ミニシクラメン
これも「シクラメン ペルシカム」から
品種改良されたものです。
花弁が4センチ以下のものを、
ミニシクラメンと呼んでいます。
ガーデンシクラメン
これは日本で作られた品種で、
「シクラメン ペルシカム」と原種シクラメン
を交配させたものです。
通常のシクラメンより花や葉は小さめで
すが、寒さに強いという特徴がありま。
-5度程度の寒さにも耐えられるようですよ。
寒冷地の方には向いていると思います。
原種シクラメン
原種シクラメンはいかにも原種らしい素
朴な姿が人気を呼び、今では花屋さんで
一般的に売られています。
また、暑さ寒さにも比較的強いという
特徴もあります。
結び
冬に咲く花として絶大な人気を持つ
シクラメンです。
シクラメンがしおれたり倒れたりする
理由はこのようになります。
暑すぎる、寒すぎる、強風に当たった、
水が足りない、根腐れなどが主な原因です。
対応としては、温度管理の徹底、置き場
所や水のやり方に留意することでしょう。
シクラメンは地中海沿岸やイランあたり
が原産地ですが、現在出回っているシク
ラメンの大半は、「シクラメン ペルシカム」から改良されたものです。
シクラメンには、通常のシクラメン、
ミニシクラメン、ガーデンシクラメン、
原種シクラメンなどがあります。
それぞれに特徴がありますので、お好
みによって選んでくださいね。