ツマグロヒョウモンという蝶がいます。
漢字表記では『褄黒豹紋』と書き、
その名の通り、オレンジ色に豹柄の
黒点をちりばめた美しい蝶です。
この蝶の幼虫はいわゆる『毛虫』で、
庭の草木を食い荒らすのですが、
見た目も非常にグロな毛虫なのです。
黒い身体に朱赤の縦線一本、縦線の両側
には赤い斑点が続き、しかもその先は
鋭くとんがっています。
見るからに
地獄からの使者
という感じの恐ろしげなキモイ毛虫なのです。
ではこの毛虫には毒やトゲはないのでしょうか?
又、エサとする草木はどんな種類なのか
その駆除の方法なども調べてみました。
Contents
ツマグロヒョウモンの幼虫には毒はある?
これがツマグロヒョウモンの幼虫です。
ツマグロヒョウモンの幼虫の体長は
およそ30㎜程度です。
一見、この毛虫には近寄るな、
触ったら死ぬ!
という外見の毛虫ですね。
斑点の先もとがっていて、うっかり
刺されると後々まで痛そうにみえます。
しかし・・・
この毛虫は全く無毒です!
斑点の先はとがっていても
針はないので刺されることもありません。
つまり、見た目はDQN、いや暴力団員
ですが、実は善良な市民という所なのです。
なのになんでこんなおどろおどろしい
外見なのかは不明ですが、一説には
擬態
というものもあります。
成虫は毒蛾であるスジグロカバマダラと
よく似た外見をしていますが、幼虫も
スジグロカバマダラの幼虫と似ているのです。
ツマグロヒョウモン「よるなよるな!
おいらはこのシマのもんだ、よると
命がなくなるぞ!」
ということらしいですね。
もっとも、カバマダラは南方系の蝶で
日本国内では南西諸島を除けば
めったにいません。
つまり、構成員はいないのに構成員の
ふりをしているようなものです。
これは擬態としての機能はないようにも思えます。
キンキンギラギラの衣装を着て役に立た
ない擬態をしてみたりするところは、
キモ可愛い
と言えるかもしれませんね。
ツマグロヒョウモンの幼虫は何を食べる?
画像はツマグロヒョウモンに
食い荒らされたワサビです。
ツマグロヒョウモンの幼虫が食べるのは
主としてスミレです。
スミレの花咲く頃が好きとは、
なんとも少女趣味な毛虫ですね。
スミレ以外にはパンジーやビオラ、
時にはワサビにつくこともあります。
園芸種が好きな毛虫のようですね。
ツマグロヒョウモンの幼虫の駆除の方法を紹介!
画像はツマグロヒョウモンの成虫です。
オレンジ色に黒の紋は、確かに豹の紋ですね。
ツマグロヒョウモンの幼虫は
捕殺しないと年々増えていきます。
とはいえ、ツマグロヒョウモンの幼虫は
搾り取れる金づるは殺さずに残しておく
という主義のようなのです。
つまり草木を完全に丸坊主にして根絶や
にしてしまうと次のエサがなくなってし
まうので、それは避けるということらしいです。
元金を残しておいて利息だけを食べる
という、構成員の手本のような
頭の良い方法をとっているのです。
とはいえ、草木に被害が出るのを
ほっておくわけにはいきません。
そこでツマグロヒョウモンの幼虫の
駆除の方法を紹介しましょう。
くるなスプレー
ニーム(インドセンダン)のアザティラクチン
やヒバのヒノキチオールなどの天然の
自己防衛成分を使用したスプレーです。
植物の活力剤と害虫よけの両面で効果があります
スプレー殺虫剤
合成ピレスロイドの殺虫成分『ペルメトリン』
を配合しています。
ペルメトリンは家庭用のゴキブリ駆除
殺虫剤などでも使われている成分で、
毛虫に対しても高い殺虫効果を示します。
防虫ネット
草木にはあらかじめ防虫ネットを
かぶせておけば安心です。
こちらは透光率90%と太陽光を
しっかり通します。
スミチオン乳剤
害虫駆除の定番薬品、スミチオン乳剤です。
水で薄めて散布します。
オルトラン
こちらは散粒を葉や根元に
直接まいて使用します。
やや広めにまいておけば、防除用としても有効です。
農薬を使う時の注意点
農薬を使う時の注意点としては
必要最小限の使用にします。
害虫の発生時期や種類はほぼ決まっています。
その時期と害虫の種類に有効な薬品を選び、
発生する直前に散布すれば効果的です。
農薬を使う時の服装
長袖長ズボンを着用し、肌を露出しないようにします。
防水性があり、且つ丸洗いができるものが良いでしょう。
手袋はビニールやゴムなどが適しています。
マスクは農薬用のものを使いますが、
使い捨てタイプが便利でしょう。
目を保護するためにはゴーグルタイプの
密封型のものを使いましょう。
農薬散布後にこれらの装具を外した後は
流水で十分に顔や手、装具を洗います。
又、うがいも入念にしてください。
結び
ツマグロヒョウモンという蝶の幼虫は
見るからに不気味な毛虫です。
しかし、人間にも外見は鬼瓦のようだが
中味は善良そのものという人がいます。
ツマグロヒョウモンという蝶の幼虫も
それに似ていて、
完全無毒でとげにさされることもありません。
とはいえ害虫であることは確かで、
それもスミレやパンジーなど趣味の園芸種を
主に食い荒らします。
今回はそのツマグロヒョウモンの幼虫の
エサや駆除方法をいろいろと紹介してきました。
害虫である以上駆除はしなくてはならない
のですが、ツマグロヒョウモンという
蝶の幼虫による被害は比較的少ない方なのです。
被害が大きくなければ、あまり神経質に
なることもないのではないでしょうか。