オイルヒーターという暖房器具があります。
金属製の容器に密封されたオイルを、
電気で温め暖房とするというものです。
石油ストーブやガスストーブのように
直接『燃やす』ものではないので
室内の空気はいつもきれいなまま
です。
しかもほんわかとした自然の暖かさで
表面の温度も手で触れられる位にしか
上がりません。
そのため
子供やペットが触ってもやけどの恐れ
はないのです。
となれば、オイルヒーターは最高の
暖房器具じゃないかと誰しも思うでしょう。
ところが、そのオイルヒーターには
色々な問題点があり、つけっぱなしだと
火事の危険性もある
というのです。
そこで今回は、オイルヒーターの
つけっぱなしは危険なのか、使う時の
注意点や電気代なども検証してみました!
Contents
オイルヒーターのつけっぱなしは危険!
少し前の事ですが、デロンギの
オイルヒーターで火事になる所だった
家があったそうです。
このオイルヒーターはデロンギ製の
1500Wのオイルヒーターです。
なぜ火事になりそうになったかという
と、通常のコンセントは連続使用では
15Aまでしか使用できません。
1500wの機器では15Aのリミット一杯で
使用し続けることになります。
このような状態でコンセントが古かったり、
同時に他の機器を接続していたりすると、
コンセントが加熱するのです。
連続使用の場合は12A程度に抑えるのが
安全な使い方なのです。
東京くらしWEBでは、以下のような事故
がレポートされています。
- オイルヒーターを使用したら、コードやケーブルタップが焦げて溶けた
- オイルヒーターに洗濯した服をかけていたら、スイッチ部が溶けて床も溶けた
- 10年間使用したオイルヒーターのコードの付け根から発火した
これらのケースでは、機器自体の不良
というより使い方が問題だったと思わ
れます。
とはいえ、安全な筈のオイルヒーターも
使い方によっては危険な機器に変わってしまう
こともあるのですね。
オイルヒーターの仕組み
オイルヒーターは、フィン(ひれ)の
付いた容器内に難燃性の油を密閉し、
そこに電気を流して加熱する仕組みになっています。
その特徴は温められたオイルから
フィンに熱が伝わり、フィンから熱が
伏射されるという所にあります。
熱源から直接熱を出すのではないので
部屋の空気を汚さない
というところが最大のメリットですね。
その他にも音が出ない、メンテナンスが
不要、フィンの温度が低いのでやけどの
おそれがないなど、数々の利点があります。
デメリットとしては、密閉性のよくない
部屋では効果が出ない、連続運転でない
と室温が上がらず、電気代が膨大などの点です。
特に日本家屋では通気性を重視している
ので、密閉性の点では難があります。
もともとオイルヒーターは密閉性の高い
ヨーロッパで使用されていましたので、
通気性の良い日本家屋には向いていません。
しかも起動直後には全く暖かさを感じず
少なくとも1時間程度はたたないと
暖かくならないのです。
そのため連続運転が原則なので、
電気代も膨大な額
になります。
エアコンやストーブのように
必要な時だけ使うというわけには
いかないのです。
日本の家屋には不向きな暖房器具と言えるでしょう。
オイルヒーターのつけっぱなしは危険か?
オイルヒーターのつけっぱなしは危険か
といいますと、そうとも言えません。
むしろオイルヒーターは
原則としてつけっぱなしで使う暖房器具
です。
つけっぱなしでないと暖かくならないからです。
又、オイルヒーター本体が原因の火災と
いうのはほとんどありません。
その意味ではオイルヒーターは
安全性の高い器具と言えます。
オイルヒーター火災の大半は
電源に接続する部分が原因
なのです。
そのあたりを次項では詳しく書きます。
オイルヒーターを使う時の注意点は?
オイルヒーターを使う時の注意点は
このようなものです。
接続と配線部分に注意する
ここがオイルヒーターの泣き所です。
12A前後という大電流を常時使い続ける
器具ですから、
配線、特にコンセント部分
には十分注意する必要があります。
- たこ足配線をしない
- 延長コードを使わない
- 二口以上のコンセントは、オイルヒーターのみ接続とする
- コンセントを束ねない
- コンセントを抜くときには電線ではなく、コンセント部分を持って抜く
- 電源プラグは完全に根本迄指す
これらの注意点は全て大電流の常時使用
という点からのものです。
オイルヒーター火災の大半の原因は
上記の原因によるものなのです。
電気代がかかる
これもオイルヒーターの特性からのものです。
12Aという大電流を常時使い続ければ、
必然的に電気代は膨大な金額になります。
エアコンは6~10畳用の場合、せいぜい
5~7アンペア程度を使うだけです。
しかも暑くなってくれば消せばよいだけです。
コストパフォーマンスという点では、
オイルヒーターは非常に割りの悪い暖房機器
ですね。
日本家屋には向いていない
オイルヒーターはヨーロッパで開発され使用されています。
ヨーロッパの建物は気密性が高く、
壁も石(レンガなど)を使用していて
断熱性も高いのです。
ところが日本の家屋は、夏の暑さもあり、
通気性を重視
しています。
オイルヒーターを使う場合は換気は
できるだけしないようにするのですが、
日本人は換気を頻繁にします。
それに加えて建物自体が通気性がよく
断熱性は低いという特徴があります。
このような点から見て、日本家屋には
オイルヒーターは向いていない
と書いたわけです。
私も昔オイルヒーターを使ったことが
ありますが、はっきり言って寒くて
とても使えなかったですね。
オイルヒーターのつけっぱなしは電気代ももったいない
ここまで書いてきたように、
オイルヒーターはつけっぱなしが大原則です。
使わないときにはオフにしておくなど
頻繁にオンオフするものではありません。
となれば電気代が高くなるのも当然ですね。
というわけで、電気代の試算をしてみました。
オイルヒーターの場合、
電流は12Aという機器が多いですね。
この場合、1時間あたりの電気代は
およそ30円前後
となります。
朝から晩までつけっぱなしですと
16時間で約480円、1ヶ月では14,400円
という金額になります。
夜中もつけるとすると、
24時間で約720円、1ヶ月では21,600円
という結構な金額になってしまいます。
しかもこれはオイルヒーターだけの
電気代なので、他の機器も含めれば
その2倍にはなるでしょう。
1ヶ月の電気代だけで3万円から4万円
です。
これはたまりません。
もっとも実際の使用では、ある程度
部屋の温度が上がれば、使用する電流
は減るので、上記よりは安くなるかと思われます。
尚、電気料金はアンペア別の基本料金+
使用量などで複雑な構成になっています。
ですから上記はあくまで目安程度と思ってください。
暖房のコストパフォーマンスから見ると、
最も良いのは
灯油ストーブの生焚き
でしょうね。
但し、頻繁に換気をしなければ
なりませんし火事の危険性も高いです。
私はエアコン+電気カーペットですが
加湿器を使用するとかなりな金額になります。
暖房も中々難しい問題がありますね。
結び
オイルヒーターには空気を汚さず
はんなりとした自然の暖かさなど
メリットも多いです。
又、オイルヒーター本体が原因で
火事になることは殆ど無く、
大半はユーザーの不注意によるたこ足配線が原因です。
このようにメリットが多い
オイルヒーターですが、最大の難点は
電気代がかかることです。
簡単な試算では
1ヶ月あたり2万円もオイルヒーターだけ
でかかります。
又、木造の日本家屋ではあまり
暖かくならず、使い物にならない
という困ったデメリットもあります。
オイルヒーターの導入を考えている人は、
これらのメリットデメリットを考慮して決めてくださいね。