祭り

テキ屋は普段は祭りがないときは何をしているの?仕事や給料はどうなの?

「わたくし生まれも育ちも葛飾柴又です。

 

性は車、名は寅次郎、
人呼んでフーテンの虎と発します」

 

というのは
お馴染みの寅さんのセリフですが、
寅さんの仕事はテキ屋です。

 

映画の中での寅さんは、
鮮やかに啖呵売(たんかばい)を演じて、
お客さんを喜ばしています。

 

しかしこれはフィクションですから、
現実のテキ屋とは大分異なるのではないかと思います。

 

では、現実のテキ屋の生活とはどんなものなのでしょうか。

 

というわけで、
今回はテキ屋は普段何をしているのか、
給料は幾らなのか、
祭りではどの位稼げるのかを調べてみました。

テキ屋の人は普段何しているの?

それではテキ屋とは、
一体どんな人たちなのでしょうか?

 

テキ屋とは?

テキ屋とは

的屋

と書きます。

 

テキ屋の特徴として、
一つ当たれば大もうけということがあります。

 

そのため『的矢』に例えられ、
それが『テキ屋」と呼ばれるようになりました。

 

別名は、

的屋(まとや)・香具師(やし)・三寸

などとも言われます。

 

テキ屋の起源は、
江戸時代以前からと言われています。

 

町民農民の生活に、
縁日が一般的になってから、
各地で『市』が盛んに行われるようになりました。

 

その市で商売する人たちが、
後にテキ屋と呼ばれる人たちになっていったのです。

 

昭和も30年代過ぎには、
次第に縁日は下火になり、
テキ屋の数も段々と減りはしましたが、
現在でも縁日には欠かせない存在となっています。

 

テキ屋の種類

テキ屋の種類は、店舗(屋台)の規模や
出し物によってわかれます。

 

出店の規模別では、小さい方から順に
こうなっています。

 

転び

地面にござなどをひいて、
その上に商品を転がすようにして
売っているテキ屋です。

 

小店

三寸よりも売り台が小さく、やや小さい店です。

 

三寸

売り台の高さが一尺三寸ほどに
なっていることで、こう呼ばれます。

 

尚、一尺三寸は約40センチです。

高物

仮設の小屋を作って行うのですが、
現在ではほとんどありません。

 

お化け屋敷などがこれにあたるのですが
現在では、
大規模な出店は困難になったため、
少なくなったようですね。

 

出し物の種類は、

  • 消え物
  • 玩具
  • 賭け物
  • 動植物販売

などがあります。

 

消え物とは、
売れると消えてしまうもので、
綿菓子やリンゴ飴、ベビーカステラ、
焼きそば、たこ焼き、イカ玉焼き
などの食品が主なものです。

 

玩具はお面やベビーカーなどが一般的です。

 

賭け物というのは、金魚すくいや射的、
昆虫レース、千本引きなどがあります。

 

千本引きというのは、
一箇所に束ねられている紐の
どれかを引っ張って、
それが景品と結びついていればその景品が貰えるというものです。

 

動植物の販売はカラーひよこなどですが
最近は少なくなっています。

 

テキ屋って普段何やってるの?

これはそのテキ屋が専業か副業か、
どんなお店をやっているのかなどにも
よります。

 

副業の場合は、
バイトの学生の場合もありますし、
怖い系の人も多いらしいです。

 

又、普段はごくまっとうな普通の仕事を
していて、お祭りの時だけ出店する人もいます。

 

専業の場合は、普段はやはり
構成員的な仕事が多くなるようです。

 

ある人が
1年ほどバイトでテキ屋をしていた
とのことで、その経験を語っていました。

 

それによりますと、
上には怖い系の人がいて、
睨みをきかせています。

 

勿論その人達は、
自分でタコ焼を作ったりはしません。

 

祭りがスムーズに進むよう、
目を配っていて、
何かのトラブルがあると対処しています。

 

その下に、若い衆や『テコ』と呼ばれる
アシスタント役の人がいるのですが、
その人達は、普段は大工やリフォーム業、とび職などをしています。

 

その他に臨時のアルバイトがいますが
これらの人はそれぞれ本業があります。

テキ屋の人の普段の大体の給料は?

テキ屋の人の給料はケースによって
かなりバラツキがあるようですね。

 

つまり収入が多い人は結構な額を
貰っていますが、
少ない人は『エッ!」と驚く位少ないのです。

 

専業の場合の給料(月収)は、
おおよそ以下のようになります。

 

  • 20代の給料:10万円~15万円(推定)
  • 30代の給料:15万円~20万円(推定)
  • 40代の給料:20万円~30万円(推定)
  • 平均年収:200万円~350万円(推定)

勿論、一番上にいる人は、
一つのお祭りで1000万円
とかもありますので桁が違います。

 

又、副業の場合は、テキ屋だけの年収は
100万いくかいかないかの人が多いようですね。

 

テキ屋のAさんの例。

 

給料:30万円
副業でやってます。

地元のおっちゃんが昔から仲がいいので
それを引き継いでます。

 

テキ屋のBさんの例。

 

給料:7万円
夏休みのバイトでやってました。

 

 

テキ屋は祭りでどのくらい稼げる?

テキ屋は
祭りでどのくらい稼げるのでしょうか?

 

まず消え物(食べ物)の原価です。

 

  • イカ焼き:15円
  • 綿菓子:40円
  • かき氷:30円

これがお祭りでは10倍どころか
数十倍の価格になります。

 

これだけ見れば、
ぼったくりと言われてもしょうがないでしょうね。

 

しかし、テキ屋さんにも言い分があるのです。

 

夜店の商品には、材料費に加えて
色々なコストがかかっていると、
ある露天商は言います。

 

「例えばイカ焼きは、
焼き物の機材一式で15万~20万円。

 

屋台の設備には約15万円はかかります。

 

複数の屋台を出すテキ屋も多く、
その場合にはアルバイトを雇うので、
人件費もかかります。

 

それに光熱費も相当なものになります。」

 

それだけではなく、
夜店の場所を確保するためには、
『組合費』が必要なのです。

 

組合費は月1000円、
年で1万2000円が相場だそうです。

 

お祭りでは、露天商組合による
『土割り』とよばれる場所決めが行なわれます。

 

お祭りの屋台では、出店する場所によって
売り上げは左右されますので、
皆すこしでも良い場所を確保しようとします。

 

しかもこの場所は、一度確保すれば、
後々もその場所で商売をすることができるのです。

 

これらのコストも馬鹿にならないとは
思いますが、
烏賊焼きの場合原材料費は15~20円です。

 

それに機材、屋台設備、
プロパンなどの燃料費を加えても、
その経費は40~50円程度だそうです。

 

それが数百円のお値段ですから、
やはりボロ儲けですよね。

 

しかし、テキ屋の言い分では、
仕入れた商品が全て売れるわけではなく、
売れ残りが出る時もある、というのです。

 

もしそれが大量に売れ残ったなら、
悲惨な結果になります。

 

夏のお祭りの時期には、
突然の雨などもしばしばあります。

 

そんな時の保険の意味もあり、
あの価格となるそうですよ。

 

お祭りの1日での稼ぎは、
お祭りや天候、人出、出店の場所
などで随分と違いますが、概ね

20万円から30万円

になるようです。

 

これで

1月の稼ぎが600万円から900万円になる

かというと、そうはなりません。

 

第一、お祭りは毎日あるわけではありません。

 

というより、1月を通して見ると、
お祭りがない日の方が遙かに多いのです。

 

それでも週に2日出店のペースですと、

月収は160万円から240万円

になります。

 

やはりテキ屋は儲かるのですね。

 

 

結び

こうしてテキ屋の仕事を
見てきましたが、
やはり儲かる時には大もうけできるようですね。

 

但し、天候などにも左右されますし、
いつも常にというわけにはいきません。

 

かなり変動の多い、不安定な仕事であることは間違いありません。

 

しかも儲かるのは自前の屋台を持つ人で
雇われている人やバイトの人の状態は、
かなり悲惨なようです。

 

フーテンの寅さんの気楽なくらしは、
やっぱりフィクションの中だけなのですね。

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