苦心の就活の末ようやく入った会社。
会社内ではほやほやの新人で、
右も左もまるでわかりません。
しかも、直属の上司や先輩には、まるで
新人を育てる気がないようなのです。
何を聞いても木で鼻をくくったような返
答が返ってくるだけで、とても相談など
できるような雰囲気ではありません。
大変不幸なことですが、このような場合、
上司や先輩を変えてくれというのは、自
分の社員としての経歴を絶つに等しいことです。
さて、こんな場合にはどう対応すればよ
いのでしょうか?
今回は、新人を育てる気がまるでない上
司や先輩の特徴や、上司として持つべき
心がけなどを見ていきます。
新人を育てる気がない上司や先輩の特徴は?
新人を育てる気がない上司や先輩には、
幾つかの特徴があります。
こんな人が上司だと新人は不幸になる、
という特徴ですね。
- 自分の価値観を押し付ける
- 一回教えたことは二度といわない
- 自分の作業効率が下がらない範囲でしか教えない
- 質問されるとめんどくさそうに対応する
- 失敗した原因をきちんと教えてくれない
- 教えるのが面倒なので、全部自分でやる
- 褒めない
- 高圧的な態度で接する
- そもそも育てる気が無い
自分の価値観を押し付けるというのは、
上司には豊富な仕事の経験があり、ど
うしてもその経験の結果からの判断を伝えようとします。
例え善意からであっても、人の多様性
を最初から認めないのは、問題がありますね。
一回教えたことは二度といわないとい
うのは、「それはもう教えただろ?
忘れたのか?」ということなのでしょう。
しかし、初めての仕事では、一回聞いた
だけでは覚えきれないこともあります。
そのあたりを配慮する必要もありますね。
自分の作業効率が下がらない範囲でしか
教えないのは、要は自分の仕事「だけ」
が重要で、新人の教育はつけたりということでしょう。
これもあまり褒められたことではありません。
質問されるとめんどくさそうに対応する
のは、される方になってみると、嫌なものです。
教えるのがそれ程嫌ならば、新人の指導
役には向いていないと思いますよ。
自分の仕事のやり方を体系化してまとめていない。
これは、自分ではわかっているのですが、
その知識が体系化されていないため、
他人に教えるのは苦手なのです。
なぜ失敗したのか、その原因をきちんと
教えないのは良くありません。
失敗をした場合、その原因を理解させ、
二度としないようにするのが新人教育です。
教えるのが面倒なので、全部自分でや
るのでは、教育になりません。
教えているより自分でやった方が早い
ということなのでしょうが、次の世代
を育てるのも大事な仕事なのです。
褒めないというのは、度量が狭いとい
うこともあります。
「褒めて育てろ」という言葉のように、
褒められれば「よし! 次ぎも頑張ろ
う!」という意欲が湧くものです。
その意欲を潰してしまうのはもったいないです。
部下の指導教育であっても、高圧的な態
度で接するのは好ましくありません。
新人の指導教育で高圧的に接しなければ
ならない、という事態はほとんどないでしょう。
そもそも育てる気が無い人も、たまにはいます。
後輩に追い抜かれたくないなどの理由は
あるのかも知れませんが、新人が伸びる
のは指導者がよいからだという評価もあります。
では逆に新人教育がうまい上司や先輩の
特徴も見てみましょう。
新人教育がうまい上司の特徴
会社の業務に限らず、学校の勉強でも或
いはスポーツでも、新人教育がうまい人
には、特徴があります。
しかし、共通している所は、教える相手
の状況や立場を理解して、
指導しているという点でしょう。
相手がどの程度理解出来ているか、どの
位の意欲を持っているかを考えながら、
教えていくのです。
具体的には、上に挙げた
ダメ上司の特徴の裏返し
と考えればよいでしょう。
- 失敗の理由をきちんと教える
- 質問にはよくわかるように返答する
- 基本理論に自分の経験を合わせて教える
- 場当たりではなく、一段階ずつ体系的に教える
- うまくできれば褒めてくれる
いずれも特別なものではなく、しごく常
識的なことの『筈』なのですが、実際に
はこのように教えてくれる上司ばかりではありません。
と言って、新入社員が「こんな上司に
なってください」などと頼むわけにも
いきませんよね。
これは全て上司や先輩達の
自覚を待つしかありません。
というわけで、次項では上司や先輩とし
ての心がけなどを見てみましょう。
上司や先輩としての心構えとは?
前項のように新人を育てる気がない上司
や先輩についてしまったら、どう対応し
たらよいのでしょうか?
正直に言って対応策はありません。
あからさまに反抗すれば、干されます。
最悪の場合は退社に追い込まれることも
あるでしょう。
勿論、上司や先輩を別の人に変えてくれ
と直訴しても、鼻で笑われるのが関の山です。
鼻で笑われるのならまだ良い方で、その
会社では「あいつはまともに働く気もな
い奴」という烙印を押されるでしょうね。
つまり、上司や先輩に対して、新人側で
はなにもできないのです。
となれば、上司や先輩に良き指導者とし
ての心構えを持ってもらうしかありません。
良き部下を育成するための上司の心構えとは
良き部下を育成するための上司や先輩の
心構えは、非常に多岐に渡りますが、こ
んな上司・先輩でありたいというものを挙げてみましょう。
常に前向きな姿勢を見せる
これは当然のことですね。
上司が後ろ向きでは、新人がついてくる筈がありません。
自分のやり方を強要しない
相手の立場に立って考え、部下の多様性
を受け入れることは非常に大事です。
部下の考え方や、価値観は尊重しましょう。
まず自分でやってみせる
言うだけでしないのは、何も言わないよりもだめです。
まず自分でやってみせれば、相手も納得します。
仕事を自分ごとと思わせる
その仕事が自分ごとだと思えば
仕事にも身が入ります。
積極性の有無は、結果に大差がでるのです。
自分がされて嫌だったことは部下にもしない
これも常道です。
例えば、長時間がみがみとしかり飛ばす
などしても、相手は納得するより反発す
るでしょう。
なぜ担当を任せるか、その理由をしっかりと伝える
「君はここが優れているから、これを
やって貰う」など、明確な理由を話して
おけば、相手も期待されていることを自覚します。
その自覚は、結果となって現れるでしょう。
良く出来たらちゃんと褒める
これも部下を育てるための王道です。
その程度のことはできて当然というよう
な言動では、部下も張り合いがありません。
目標は高く持たせる
これは90%や100%の仕事ではなく、110%の
仕事を与えるということにもなります。
常に上向きの考えを持ってもらうためです。
スケジュール表やタスクリストを作って業務を管理させる
これも重要です。
仕事の管理には明確なリストがあれば、
随分と楽で確実になります。
教える時はわかりやすく具体的に教える
具体的なイメージを伝えるのは、仕事で
の認識の食い違いを避けるためには、大事なことです。
叱る時は叱る理由を明確に伝える
叱られても、なぜそんなに叱られるのか
わからないのでは、叱る意味がありません。
どのような点がどのようにいけないのか、
はっきりわかるように叱るべきです。
また、叱る時には、場所や状況をわきま
えて叱ることも大事です。
部下の同期生などの面前でしかり飛ばし
たりするのは、相手の面子も潰してしまいます。
相手の意見も十分によく聞く
なぜ相手がそう考えるのかを理解しない
と、話が一方的になり、相手も納得しません。
相手の意見も十分に聞きましょう。
他人と比べて評価しないようにする
成果の評価は人と比べるためのものではありません。
あくまでも成果自体が、評価の対象なのです。
特に「○○(新人の同期生)と比べてお
前はほんとにダメだな」などの評価は、
ご法度です。
全ての上司や先輩が、このような心構え
を持っていてくれたら、新人の悩みも随
分と減るでしょうね。
結び
新人を育てる気がない上司や先輩には、
幾つかの好ましからぬ特徴があります。
自分の価値観を押し付けたり、質問に
は面倒がって答えない、失敗した原因
をきちんと教えてくれないなどが、その悪しき特徴です。
また、うまくいった時にも褒めないと
か、最初から新人を育てる気がない、
などどうしようもないものもあります。
これに対しての新人側には、
有効な対応策はありません。
反抗すれば干されますし、上司を変えて
くれなどとは言えません。。
となれば、上司や先輩に良き指導者とし
ての心構えを持ってもらうしかないのです。
常に前向きな姿勢を見せ、疑問点には明
瞭に答え、的確な指摘をし、褒めるべき
時には褒め、叱るべき時には叱る。
そんな上司ばかりなら、新人にとっては
会社は天国です。
でも現実には天国など、存在しません・・・