お盆というのは7月にもするものなのですね。
お盆と言えば8月だとばかり思っていましたよ。
それに7月だけでなく、9月にもお盆をする地方もあるようなのです。
なんでこのような、地方ごとにバラバラの日時になってしまったのでしょうか。
その7月8月9月のお盆の期間は何時なのか、どの地域でどの月に行われるのか、又行う行事には違いがあるのか、不思議ですよね。
今回はそのバラバラのお盆の謎に迫ってみました!
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7月のお盆はいつからいつまで
私は東京生まれの東京育ちですが、これまでお盆は8月だとばかり思っていました。
まさか東京では7月にお盆をするとは、夢にも思っていなかったのです。
ということで、7、8、9各月のお盆の期間などを見てみましょう。
7月のお盆の期間
7月のお盆は、『7月盆』などと呼ばれ、
7月13日~16日
が殆どです。
8月のお盆の期間
8月のお盆は8月盆又は月遅れ盆と言い、
8月13日~16日
が一般的です。
旧盆(旧暦)の期間
これはかなり複雑で年ごとに期間が変わります。
旧暦の7月13日~16日に相当する新暦の日に行うわけです。
ですから、正しくは『9月のお盆』ではなく、『旧暦のお盆』というべきなのでしょう。
2017年のお盆は9月3日~9月6日で、2018年は8月23日~8月26日になります。
上記を纏めると、お盆の時期は3つあるということになりますね。
- 7月盆 7月13日~16日
- 8月盆(月遅れ盆) 8月13日~16日
- 旧盆 旧暦7月13日~16日(新暦では不定)
なぜこのように、お盆の時期が3つもあるのかは、次項で説明いたします。
7月のお盆をする地域や理由は?
現在行われているお盆の時期は3つあります。
- 7月盆 7月13日~16日
- 8月盆(月遅れ盆) 8月13日~16日
- 旧盆 旧暦7月13日~16日(新暦では不定)
この3つのお盆の時期は、地域によって異なります。
7月にお盆をする地域は?
7月にお盆をする地域は、
東京都(多摩地域を除く)、南関東(主に都市部)、静岡旧市街地、函館、金沢旧市街地など
で、全国的に見れば完全に少数派です。
私は東京の下町生まれで、そこで育ったのですが、記憶を掘りおこしてみると、お盆は8月にやっていたような気がします。
ですから、「東京では7月にお盆をする」というのは、どうもピンとこないのです。
まあ、これは単なる記憶の誤りかも知れませんが・・・
他のお盆の時期と地域では、
8月盆(月遅れ盆)が新盆と旧暦のお盆を除く、日本の大半
旧盆(旧暦のお盆)は、沖縄県、奄美など南西諸島の一部
などで行われています。
お盆の時期で一般的なのは、月遅れのお盆でしょう。
ごく僅かの、新盆と旧暦のお盆で行う地域以外は、日本の70%以上のお盆は、8月盆(月遅れのお盆)で行われています。
なぜお盆の時期は3つもあるのか?
それでは、なぜお盆の時期は3つもあるのでしょうか?
暦には、
太陽暦 太陰暦 太陰太陽暦
の3つがあります。
太陽暦(グレゴリオ歴)は新暦とも呼ばれ、現在私たちが使っている普通の暦です。
地球が太陽の回りを周回する時間を元に決められています。
太陰暦は、月の満ち欠けの周期を元に算定されていますが、月の満ち欠けと太陽の動きには全く関係がないため、季節がどんどんずれていってしまうのです。
そのため現在では全く使用されていません。
太陰太陽暦は旧暦と呼ばれていて、太陰暦の欠点を補うため、月の満ち欠けと太陽の動きを組み合わせた暦法です。
3年ごとに閏月を入れなければならないるなど欠点もありますが、太陰暦よりはましなので、日本でも明治5年迄使用されていました。
太陽暦(グレゴリオ歴)は、明治6年から日本でも使われるようになりました。
その際明治政府は、年間行事の大半をそのまま新暦の同日に移行する、という方針にしたのです。
しかし、それまで使っていた旧暦での年間行事などを、そのまま新暦に移行すると、季節感などはまるでずれてしまいます。
今回の記事のお盆にしても、旧暦の7月15日をそのまま新暦7月15日に移行するとしますと、旧暦の7月15日は、新暦で言えば8月下旬あたりになります。
当然季節感はまるで違ってしまい、いろいろと不都合があります。
その1 お盆が新暦7月15日頃だと農繁期となります。
農家が忙しい時期にお盆があるのは困りますよね。
その2 季節感がまるで違い、お盆の風情が感じられません。
7月15日では梅雨が明けていないため、毎日雨が降ったり、ほおずきも色づかないなど、真夏の風情はありません。
その3 新暦に合わせて別の大きな行事を7月に行うことにしたため、同じ7月にお盆があるのは困ることもあります。
祇園祭などがこれに当たります。
そのようなわけで、明治政府のお膝元である東京などでは、新暦の7月にお盆をするようになったのですが、その他の大部分の地域では、月遅れのお盆が行われるようになりました。
又、沖縄などでは、旧暦のままのお盆を行っています。
その場合、お盆の時期が年ごとに変わってしまうなどのデメリットもあるのですが、それをあえて旧暦で行うというのは、その土地の人の心意気の現れでもあるのでしょう。
7月のお盆と8月のお盆のやることの違いは?
7月のお盆と8月のお盆の行事自体には、ほとんど違いはありません。
やることはほぼ全く同じなのです。
違いはむしろ地域によるものの方が大きいでしょうね。
お盆は二十四節気などとは違い、季節を表すものではなく、仏教の仏事から始まった行事です。
尚、お盆の由来などについては、こちらの記事でどうぞ!
8月といえばの行事やイベント、記念日や花などネタの種を紹介!
お盆ではまずお墓参りをし、家では先祖を祀るためのお供えなどをします。
又、一般的なお盆期間は4日間なのですが、地域によっては3日間というところもあるようで、その場合は迎え盆が12日か14日、送り盆が15日という例が多いようですね。
更には、1日から28日という長い期間をお盆とするところもあります。
ほとんど丸1月ですが、毎日行事があるわけではなく、要所要所の数日がお盆の行事となります。
お盆の行事としては、
- お墓参り
- お供え
- 迎え盆(迎え火)
- 送り盆(送り火)
などが一般的です。
お墓参りは、先祖代々の墓に詣で、ご先祖様が帰ってくるよう祈ります。
お墓参りは、お盆の期間中ならいつ行ってもよいのです。
お供えは、精霊馬(しょうりょううま)が一般的で、ナスとキュウリを供えます。
キュウリは馬を表し、馬に乗ったようにご先祖様が早く帰って来るように、という気持ちの表れなのです。
ナスは牛を表し、ご先祖様が帰るのは牛のようにゆっくりでよい、という気持ちを表します。
迎え盆(迎え火)とは、13日に先祖の霊を迎えるためのものです。
この時に、先祖の霊が迷わず帰ってこられるようにと焚くのが、『迎え火』です。
送り盆(送り火)は、16日にお盆の間の一緒にすごした祖先の霊を送り出す行事です。
これが『精霊送り』で、この時に焚く火が『送り火』です。
有名な京都の『大文字焼き』も、送り火なのです。
お盆の最終日の8月16日に行われる、『五山の送り火』が大文字焼きで、京都の夏の風物詩として名高いですね。
結び
お恥ずかしい限りですが、お盆というのは7月にもするということを、私は知りませんでした。
お盆は8月とばかり思い込んでいたのです。
それがお盆は7月にも8月にも、場合によっては9月にも行われるということを知り、びっくりしました。
お盆の日時には3種類もあるのですが、これは明治の始めに旧暦(太陰太陽暦)から新暦(太陽暦・グレゴリオ歴)に移行する際の混乱によるもののようですね。
とはいえ、7月にお盆をするのは、東京などの少数派で、8月の月遅れのお盆が大半なのです。
ただ、7月でも8月でも、あるいは9月のお盆でも、行う行事はほぼ全く同じです。
夏の想い出作りのためには、普段お墓参りにはご無沙汰している方も、今年のお盆にはご先祖の墓にお詣りするのもよいのではありませんか?