蝶 「あっ! 蝶々だ! きれいだなぁ・・・」
蛾 「おぇっ! 蛾だ! キモイなぁ・・・」
と、これが蝶と蛾に対しての
一般的反応でしょうね。
実は、蛾も蝶も
ほとんど違いはないに等しいのです。
見た目でも
蝶はきれいで蛾はきたないとは
限りません。
蝶でもきれいでない蝶は
幾らでもいますし
蛾でも蝶以上に美しい蛾は沢山います。
なのにあからさまなこの差別・・・
しかし、現実は厳しく
ほとんどの人間は
蛾は気持ち悪いと感じてしまうのです。
そこで今回は、
- 蛾を気持ち悪いと思うのはなぜなのか
- なぜ蝶とは人間の好感度が違うのか
そのあたりを考察してみました。
蛾をなぜ気持ち悪いと思ってしまうのか?
蝶は美しいと愛でるのに
蛾はなぜ気持ち悪い
と思ってしまうのでしょうか?
蝶も蛾も分類学上は
節足動物門・昆虫綱・チョウ目
で違いはなく
目の下の分類の『科』で、
セセリチョウ科、アゲハチョウ科、シロチョウ科、シジミチョウ科、シジミタテハ科、タテハチョウ科に属するものだけを『蝶』と呼び、その他は全て蛾
になります。
つまり、生物学的に見ると、
蛾も蝶もほとんど同じ
なのですね。
日本にはチョウ目の昆虫が
3,500種類いますが
蝶と呼ばれるものはたった250種類で
残りは全て蛾とされています。
世界全体で見ると
蛾の種類はチョウの20から30倍も
あるそうなのです。
となると、蛾が嫌われるのはなぜなのでしょうか?
やはり見た目の気持ち悪さのためとしか考えられません。
しかし、冒頭で書いたように
蛾にも蝶以上に美しい蛾も沢山いるのに
なぜそれが人の気持ちに反映しないのでしょうか。
これまた不思議なところですね。
ひとつには、人間側の思い込みのためだと思います。
蛾=キモイ
という先入観があるため、
蝶以上にきれいな蛾もいることに気がつかず
一般的な蛾のイメージでしか、蛾を見ないのです。
上の画像は蝶ではありません。
立派な蛾なのです。
次項にある画像も蝶ではなく、蛾です。
これらの蛾をキモイと思う人は
まずいないでしょう。
悪くはないが気持ちはよくない
という感覚は
そう簡単には捨てられないのだろうと思いますよ。
蝶と似ているのになぜ好感度が違う?
蛾は小さな違いは別にして
外見も生態も蝶とほとんど変わりません。
なのになぜか
人間の持つ好意度はまるで違いますね。
では、蛾と蝶の違いとは
どんなものがあるのでしょうか。
蛾と蝶の一般的な相違点をリストにすると
こんな具合になります。
蛾と蝶の一般的な相違点 | ||
---|---|---|
条件 | 蛾 | 蝶 |
外見 | 地味 | 美麗 |
活動する時間帯 | 主として夜 | 昼間 |
とまる時の羽 | 広げる | たたむ |
触角の先 | 櫛状又はとがっている | 棍棒状 |
腹部の太さ | 太め | スリム |
但し、これはあくまでも
『一般的』な例で
蛾にせよ蝶にせよ、例外も多数あります。
となると
人間の蛾と蝶に対する好意度の違いとは、
単に、人間側の思い込み、先入観によるものにすぎない
ということになります。
つまりは、人間社会での同性の愛
性同一性障害と全く同じことなんですね。
好感度などというものは、そんなもんです。
So It Goes・・・
蛾への好感度を上げるためには?
世間にはこんな人もいます。
蛾売りおじさん
という人です。
蛾売りおじさんのモットーは、
「蛾売りおじさんは、蛾の刺繍ブローチや絵画作品を制作しています。蛾の印象向上に努めて参ります」
というものです。
これだけでは
なんのことやらさっぱりわかりませんよね。
どういうことなんでしょうか?
まずご本人ですが、自称『おじさん』ではありますが、
20代後半の女性です!
残念ながらご本人の画像はありません。
ではなぜ『蛾』なのかについては
元々虫好きで芋虫が大好きだったそうで
その後運命の出会いが・・・
ある時、大きな蛾に出会って、そのモフモフとした胴体、黒くてクリクリとした瞳、うさ耳のような櫛形触覚、高級絨毯のような美しい翅……! そのすべてに、一目惚れのごとくぞっこんに惚れ込んでしまいました。
とのことです。
蛾売りおじさんは、
蛾のことを『愛らしい方』
と呼ぶのだかとか。
愛らしい方・・・
黒くてクリクリとした瞳・・・
そのモフモフとした胴体・・・
はぁ・・・
としか言い様がありませんね。
でも、どうしても、なにがなんでも、なんとしても、どんなことをしてでも、蛾に対する好意度を上げたければ、この蛾売りおじさんにあやかってみるのも良いかも知れませんよ。
結び
これまで書いたように、蛾と蝶はほとんど違いがありません。
まるで同じものと言ってもよいでしょう。
なのに人間側の好意度には大差があるのです。
蛾にしたら、「これは差別だ!」と叫びたくなるでしょうね。
そこで今回は、なぜ蛾を気持ち悪いと思うのか、どうして人間の好感度が蝶と違うのはなぜなのか、そのあたりを書いてみました。