ヒキガエルは
性格はおっとりタイプでおとなしいのですが
耳腺に強力な毒を持ち
犬などが食べてしまった場合は
最悪死に至るという怖いカエルなのです。
ヒキガエルの住み家は
森林や農耕地が主ですが
東京都心部にもちゃんと生息しています。
なので、愛犬との散歩でも
ヒキガエルに遭遇する危険はなきにしもあらず!
ヒキガエルの毒の成分は?
ヒキガエルは寿命は10年ほどもあり
意外に長寿なのです。
ヒキガエルは危険にさらされた時などに
耳の後にある耳腺と呼ばれる器官から
白い毒液を分泌します。
その毒は、
ブフォトキシン
Bufo(ブフォ)はヒキガエルの学名を
『toxin』トキシンは毒を意味しています。
このブフォトキシンは、
- ブフォタリン
- ブフォニン
- ブフォテニン
- ブファギン
- シノファギン
- ガマブフォゲン
などを含む猛毒で
心筋や迷走神経中枢に作用します。
ヒキガエルの毒の強さは
人間にブホテニンを16ミリグラム以上
静脈内に注射すると
全身の疼痛(いたみ)
顔色の変化(どす黒い)
胸の圧迫感
眼球振盪(眼球のゆれ、瞳孔散大)
知覚力の一時的な変化
などが起り、原色の点が見えたりする
幻覚が起こる時もあります。
犬や猫は少ない量で致死量に達するので
犬の散歩中は特に注意が必要です。
散歩中にヒキガエルをくわえた犬が
顔がぱんぱんにふくれあがったりすることもあります。
ヒキガエルの毒を犬や猫がくらった時の対処法は?
このわんちゃん
ゴールデンらしいですが
犬種もわからないほど顔がぱんぱんになっていますね。
これがヒキガエルをくわえてしまったわんこなのです。
犬好きの私などは、
「かわいそっ!」
と叫んで抱きしめたくなったりしてしまいます。
そのヒキガエルを犬などの
小動物がのみこんでしまった場合は、
最悪の場合、2~3時間で死亡
することさえあります。
呑み込まないまでも
口にくわえただけで
非常に危険です。
ヒキガエルなどいたら
飼い主が良く注意して近寄らないのが
一番ですが
不幸にして口にいれてしまった
場合には、どうしたらよいのでしょうか。
犬がヒキガエルを口に入れてしまうと
ヒキガエルは毒を出し
犬はそれを経口摂取してしまいます。
そうなると、
- よだれを垂らしたり、泡を吹いたりするく
- 痙攣する
- 吐き気や痺れなどを起こす
- 顔がはれる
- 心臓に異常をきたす
などの症状を起こします。
この対処法は、
- まず第一に、直ちにヒキガエルを口から出させる
- 次ぎに充分な量の流水で、口の中をあらう(この時は、飼い主はゴム手袋など使った方が安全です)
- できるだけ早く動物病院に連れて行く
という順になります。
ヒキガエルの毒を人間がくらった時の対処法は?
人間がヒキガエルの毒に
やられた場合の対処法は、
犬の場合と全く同じです。
毒がかかった部位を
十分に水で洗い流し
できるだけ早く病院に行くということになります。
病院での治療はこのようなものがあります。
- ソルコーテフなどのステロイドの静脈注射
- 心電図をモニターしながらプロプラノロールの静脈注射
- アトロピンによる気道分泌や流涎のコントロール
- 心調律の不正にはリドカインの投与
- 痙攣があれば鎮痙剤の筋注
- 必要があれば酸素吸入
- 解熱剤の投与
結び
ヒキガエルと聞くと
なにやらユーモラスな生き物を想像しますが
これが大変恐ろしいカエルなのです。
一番の対処法は、君子危うきに近寄らず
ヒキガエルには近寄らないということのようですね。