神社と言えば、思い浮かぶのはまず参拝
の柏手、そしておみくじでしょう。
特に初詣ではおみくじをひかない人の方
が希ですね。
参拝を終わり、さあ、今年1年の運気は
どうかな?と勇んでおみくじをひくと、
凶!!!
しかし、がっかりすることはありません。
おみくじの凶は、実は大変ラッキーなのです!
凶といえば「凶事・凶変・凶兆・凶行・
凶暴・凶報」など、あまり良いイメージ
の言葉はありませんよね。
なのになぜ、おみくじで
凶をひくと超ラッキー
などと言われるのでしょうか。
今回はおみくじの凶はなぜラッキーな
のか、その理由や確率なども見ていき
ましょう。
おみくじの凶がラッキーと言われる理由は?
初詣の神社でおみくじを引くと凶!
これはがっくりしますよね。
今年の始まりからこれでは・・・
と落ち込むかも知れません。
しかし、冒頭で書いたように、おみくじ
の凶はむしろ歓迎すべきことなのです。
ではなぜ、本来は良くない筈の凶が、
ラッキーと言われるのでしょうか。
その理由には、幾つかの説があります。
凶は出る確率が低いから、それに当たるのは幸運。
凶はそれ以上悪くなることはなく、以後は運は上向きになる。
などがその理由ですね。
凶はそれ以上悪くなることはなく、以後
は運は上向きになるというのは、非常に
ありがたいことなのです。
現在の状態が最悪の状態なので、以後の
状態はどんどん良くなって行く、という
ことになるわけです。
中国の春秋時代の陰陽思想には「陰陽転
化 陰極まれば陽極まり、陽極まれば陰
極まる」という言葉があります。
陰(凶)が極限まで達すれば、その先は
陽(吉)しかない、という思想です。
始まりがあれば終わりがあり、終わりの
後には始まりがあるのです。
一種の輪廻とでも言いましょうか。
凶も吉もこれと同じだと思います。
凶は出る確率が低いから、それに当たる
のは幸運というのは、単純に凶が出る確
率を見ても、非常に低いのです。
そんな低い確率のおみくじを引き当てる
のは、ラッキー以外のなにものでもあり
ません。
では、おみくじの吉凶の比率はどうなっ
ているのでしょうか。
おみくじの一般的な吉凶の比率は、おお
よそ以下のようなものです。
- 大吉:4%
- 中吉:7.4%
- 小吉:14.8%
- 吉:44.4%
- 末吉:14.4%
- 凶:3.8%
- 大凶:1.2%
尚、上記の内大凶は入れていない神社が
多いのです。
その理由は、大凶に当たった人の
ショックが大きすぎるから、
ということだそうですよ。
このように、凶があたる確率はわずか3.8%なのです。
これがラッキーでなくてなんだというの
でしょうか。
おみくじの段階は、あまり一般的でない
ものまで入れると、下記のように13種に
もなります。
- 大大吉
- 大吉
- 吉
- 中吉
- 小吉
- 半吉
- 末小吉
- 平吉
- 凶
- 小凶
- 半凶
- 末凶
- 大凶
平吉とか末凶とか、聞き慣れない言葉が
ありますが、実際にこれらをおみくじに
入れている神社はごく少数です。
それに上記の13種以外にも、おみくじの
種類は多数あるのです。
おみくじの起源
おみくじの起源は、平安時代の天台宗の
僧侶、元三大師(がんざんたいし)良源
が作ったとされています。
現在でも比叡山には
「おみくじ発祥之地」
と刻まれた石碑があるそうですよ。
この元三大師が作った元祖おみくじは、
100本の小さな棒に番号を付け、それ箱
に入れて、小さい穴から1本ずつ取り出して吉凶を占うものです。
現在のおみくじとまるで同じですね。
尚、この元三大師が作成した
「元三大師御籤帳」には、
- 大吉:16%
- 吉:35%
- 凶:29%
- それ以外:20%
になるようにする、と書かれています。
おみくじの凶を引いたら引きなおすべき?
おみくじの凶を引いたら引きなおすべきでしょうか?
その答は『いいえ』です。
理由は前項で書いたように、そんな稀少
なおみくじを引いたのは幸運
ということですね。
もう一つの理由は、凶は現在が最悪の状
況であり、それより悪くなることは決し
てないからです。
将来は凶が転じて吉となり、
状況は好転するばかりなのです。
そんなラッキーなおみくじを引き直すのは、
もったいないとは思いませんか?
もっとも、どうしても納得がいかない場
合は、何度引きなおしてもかまいません。
そもそもおみくじには、一度しか引けな
いなどという決まりはありません。
ですから、気の済むまで何度でも引き直
してください。
ただ、その場で何度も引き直すのはいか
がなものかと思います。
日を改めて参拝し、おみくじを引き直し
た方がよいでしょう。
また、はずれのおみくじはゴミ箱などに
捨ててはいけません。
おみくじはあなたへの神様のメッセージです。
それをゴミ扱いにしたらバチが当たりますよ。
持って帰るか、結び所に結ぶか、寺社に
返してお焚き上げにしてもらうかのいず
れかにしましょう。
実際に凶を引き当てた人の声でも、
あまり気にしている人はいないようですね。
そこで… 大凶 ある意味、大当たりの気分でしたよ
何回か凶にあたりましたが、私は凶をひくと「当たった!」と嬉しくなります
大凶も大吉も特に良い事も悪いこともなかった
引いた直後はかなり凹みましたが、帰りの道中はすっかり忘れていました
凶のおみくじを境内に結び付けることによって、その寺社に悪い運を全部置いて来るのだとも言われました
平吉と神社
平吉と神社といっても、平吉さんが神社
にお詣りするという意味ではありません。
おみくじは神社によって種類が異なる場
合があります。
吉にも、大吉、中吉、吉、末吉などがあ
りますが、
その中には平吉というのもあるのです。
ただ、おみくじで、「平」が出る確率は、
2%程度のようですね。
平が少ない理由は、平を入れている神社
がごく少数だからです。
おみくじに、「平」が入っている神社は
以下の神社のみです。
- 氷川神社(埼玉県)
- 戸隠神社(長野県)
- 住吉神社(大阪府)
- 下鴨神社(京都府)
- 石清水八幡宮(京都府)
- 伏見稲荷大社(京都府)
- 厳島神社(広島県)
- 金刀比羅宮(香川県)
こうして見ますと、目立つのは関西に多
いことと、有名神社が多いことですね。
平のヒエラルキーですが、これは
中間どころのようです。
平吉の場合は、吉の中でも一番下、「吉」
と「凶」の中間あたりに位置しています。
つまり、良くはないが悪くもないといった感じになります。
神社の違いによる平の扱いも、中々興味がありますね。
氷川神社(埼玉県)
平穏で穏やかな状態なので、今の状態を保つのが良い。
尚、氷川神社では「平」、「平吉」、「吉平」があります。
戸隠神社(長野県)
吉と凶の間になり中吉や半吉とも違う。
厳島神社(広島県)
吉でも凶でもなく、波風の立たない穏やかな状態。
下鴨神社
下鴨神社は少し特殊です。
下鴨神社のおみくじには、凶が入ってい
ないので、平が最も悪いものとなっています。
通常の凶にあたるわけですね。
金刀比羅宮(香川県)
「大吉・吉・平・小吉・末吉」の順と
なっていて、ちょうど中間ですね。
石清水八幡宮
吉と凶が判別しにくい状態であるが、
運気が安定している状態なので、
今の状態がしばらく続く。
この石清水八幡宮では、「平」は大吉と
同じ意味になっています。
それは「十二直」という運勢の決め方に
よるものだそうです。
その十二直では、平は良い部類に入り、
通常のおみくじで言う「大吉」にあたる
ものとされています。
この「十二直」は、今はあまり聞きませ
んが、飛鳥時代から明治初期あたりまで
は使われていたそうです。
結び
おみくじで凶が出るのはむしろラッキー
だと言われています。
その理由の一つは、
凶は出る確率が低いから、それに当たるのは幸運
ということです。
もう一つは、
凶はそれ以上悪くなることはなく、以後は運は上向きになる
からです。
つまり、今からは運がどんどんと良くな
るばかりということですね。
これはラッキーもラッキー、超ラッキーじゃありませんか!
又、それでも凶はいやだという場合は、
おみくじのひきなおしもありです。
ひきなおしは何度でもOKで、回数の制
限などはありません。
とはいえ、引いた直後にもう一度とい
うのは、少しまずいでしょう。
日を改めて翌日にでもひきなおした方が
良いと思います。