「桃の節句」「端午の節句」は知っていても、「重陽の節句」は何をする日かわからない。9月9日を、ただの平日にしたままではもったいない。
この秋の行事は、菊の花を飾り、家族の健康を願う、シンプルで美しい「プチ文化体験」だ。難しい知識や準備は一切不要。今日からでも始められる、現代的な楽しみ方のコツを伝える。
重陽の節句を3行で理解する
まずは子どもにも説明できる、核となる部分だけ押さえよう。
- いつ? 毎年9月9日。五節句の最後を飾る秋の行事。
- 何をする? 菊の花を用いて、無病息災と長寿を願う。
- なぜ菊? 邪気を払い、寿命を延ばす力があると古来から信じられてきた薬草。別名「菊の節句」。
これだけ知っていれば十分。あとは実践あるのみ。
菊の調達は想像より簡単。100均でもOK
最大の疑問は「菊ってどこで買うの?」だろう。現代では、以下の場所が現実的だ。
1園芸コーナー・ホームセンター
最もおすすめ。9月は菊の季節。小菊やスプレー菊の鉢植えが数百円〜千円程度で豊富。切り花より長く楽しめ、節句後も育てられるコスパ最強の選択肢。
2スーパーの花売り場・100均
手軽に済ませたいならここ。切り花の小菊はスーパーでよく見かける。100均でも季節によって鉢植えや切り花を扱っている。少量でいいので、まずはここをチェック。
3フラワーショップ・花市場
珍しい品種やより立派な菊を求めたい本格派向け。価格は上がるが、クオリティと選択肢は格段に広がる。
リアルな注意点
9月9日直前は品薄や価格高騰の可能性あり。余裕を持って1週間前までに購入を。鉢植えを選ぶ時は、つぼみが多く残っているものを選べば、節句の頃に見事に咲いてくれる。
家族で今日からできる。3つの実践アイデア
格式ばった作法は忘れて。以下のアイデアから、できそうなものを選んで試してみてほしい。
1一番簡単「菊の花を飾る」
玄関やリビングの目立つ場所に置くだけで、空間がパッと明るくなり秋の風情が生まれる。子どもと「菊の御紋探し」をしても楽しい。花びらの中心をよく観察すると、皇室の御紋のような十六菊に見える部分がある。虫眼鏡で観察すれば自由研究のネタにも。
2ちょっと粋でインスタ映え「菊酒・菊茶」
菊茶は、市販の乾燥食用菊(もってのほか等)を熱湯で淹れるだけ。ほのかな香りが特徴。子ども用にはハチミツを少量加えてもいい。
3子どもが喜ぶ「菊のフロート」
グラスにサイダーやオレンジジュースを注ぎ、塩抜きした食用菊の花びら、または無農薬の小菊の花びらを浮かべる。それだけで、可愛らしいデザートドリンクの完成。パーティーのようなワクワク感を味わえる。
行事食は「秋の恵みのちょい足し」で解決
「栗ご飯や秋茄子を一から作るのは大変」という声に応える。コンセプトは、いつもの食事に「秋の恵み」を一品加えるだけ。
- 焼き魚の日なら… 付け合わせに茄子の浅漬けやきんぴらごぼうを添える。
- カレーやシチューの日なら… 具材に栗(甘露煮でOK)やサツマイモを加える。
- 白米を炊くなら… 市販の栗ご飯の素を混ぜる。または、ぎんなんを炊き込む。
- デザートは… 梨やぶどうを添える。市販の栗きんとんを買ってくる。
「秋の味覚を食卓にのせる」という気持ちが、立派な行事食になる。
もしも菊が手に入らなかったら?代替案3選
当日、どうしても用意できなくても焦らない。代わりになるアイデアはある。
- 「秋の花」で代用する:コスモス、リンドウ、すすきなど、その時期に手に入る秋の花を飾る。自然のもので季節を祝う気持ちが大切。
- 「菊」の絵を描く:子どもと一緒に、クレヨンで菊の絵を描いて壁に貼る。世界に一つの飾りが完成する。
- 名前で「菊」を探す:菊芋のサラダ、菊花かまぼこなど、食材の中から「菊」のつくものを探すゲームも楽しい。
まとめ:難しく考えず、秋の「ほっこり行事」として
重陽の節句は、堅苦しい儀式ではない。家族の健康を願い、秋の実りに感謝する、シンプルな文化の窓口だ。
- ステップ1: ホームセンターやスーパーで、小菊の鉢植えか切り花を1つ買う。
- ステップ2: リビングや玄関に飾る。
- ステップ3: 夕食に、栗や茄子など秋の味覚を1品加える。
これだけで、立派に「重陽の節句」を楽しんだことになる。
季節の移ろいを感じ、家族でちょっとした会話が生まれる。そんなほっこりとした秋の思い出作りに、今年の9月9日を活用してほしい。

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