きのこ

シャグマアミガサタケの毒性や毒抜きの方法は?食べたら美味しい!

 

シャグマアミガサタケというキノコがあります。

 

やたら長たらしい名前のキノコですが、
フィンランドでは最高クラスの美味
されているのです。

 

但し・・・

猛毒です!!!

 

うっかり毒抜きせずに食べれば、確実に死ねます。

 

それどころか、フィンランドでも毒抜き
中のガスを吸い込んだだけで、中毒する
事故が多発しているのです。

そんな恐ろしいキノコが、なんで美味と
して珍重されているのかはわかりません
が、日本でも食べてみた人がいるのです。

 

そこで今回は、シャグマアミガサタケと
その毒性や、毒抜きの方法、また味は美
味しいのかを調べてみました!

シャグマアミガサタケとその毒性

シャグマアミガサタケは、毒抜きせずに
そのまま食べれば、確実に死に至るとい
う、猛毒のキノコです。

当然疑問が湧きますよね。

日本人「なんでフィンランドの人たちは
そんな危険なものを食べるの?」

フィンランド人「日本人だって、フグ
いう毎年死人が出る魚を食べてるじゃな
いか!」

ごもっともではあります。

というところで、ではシャグマアミガサ
タケというキノコはどんなキノコなのか
を、見てみましょう。

 

シャグマアミガサタケというキノコはどんなキノコ?

シャグマアミガサタケの種は、チャワン
タケ目フクロシトネタケ科シャグマアミ
ガサタケ属となっています。

 

このキノコ、外見からしてグロイの一言に尽きます。

人間の脳みそそっくりなのです。

 

傘の部分のシワシワが、どう見ても脳み
そそのものですね。

 

色は黄褐色から赤褐色で、これまた脳み
そそのもので、実にエグイです。

子実体は高さ5から8cm以上で、太く円柱
状で浅い縦じわを持ち合わせ、クリーム
色をしています。

 

日本での生息地は北海道から本州で、早
春から初夏にかけて、もみの木などの
針葉樹の林床に発生します。

 

スギやヒノキの林内でも発見されたこと
がありますが、基本的に高山地帯に多い
キノコです。

山梨県の富士山、長野県の浅間山、福島
県の七ヶ岳、千葉県の清澄山、栃木県の
白根山周辺などで発生しています。

 

名前が似ているアミガサタケとは、近縁
と思われることも多いようです。

 

しかし、アミガサタケがアミガサタケ科
なのに、シャグマアミガサタケはフクロ
シトネタケ科という全く別の科に属しているのです。

したがって、あまり近い種とは言えないでしょうね。

 

このシャグマアミガサタケは、これまで
日本ではあまり知られていませんでした。

 

その理由は、高山地帯に多いことと、
脳みそそっくりで不気味という
ことからなのでしょう。

 

そのため、キノコ狩りの対象とされるこ
ともすくなかったのです。

 

外国では、「森の哲学者」と呼ばれるこ
ともあるそうですが、それも脳みそ
だからでしょうもね。

そしてこの先もあまり一般的になりそう
にもないのは、その猛毒のためと思われます。

シャグマアミガサタケの毒性は?

シャグマアミガサタケの毒性分は、ヒド
ラジン類の一種であるギロミトリンと、
加水分解によって生成されるモノメチルヒドラジンです。

 

シャグマアミガサタケのギロミトリンの
含有量は、100g中120-160mg程度とされています。

半数致死量はマウスが32mg/kgとされています。

 

半数致死量とは、その物質を投与した場
合、100匹中50匹が死ぬ量のことを言います。

 

マウスと人間とは異なりますが、そのま
ま当てはめれば、60キロの人は、1920mg、
つまりキノコを1300g食べると、半分の人は死ぬことになりますね。

尚、モノメチルヒドラジンは
ロケットエンジンの燃料として有名です。

 

ロケットとは縁もゆかりもないシャグマ
アミガサタケが、なぜそんなものを生成
するのかについては、全く不明です。

 

これを煮沸すると気化し、調理中にその
ガスを吸い込むと中毒を起こします。

 

また、煮沸によって煮汁の中にも溶出さ
れますので、そちらにも要注意ですね。

 

中毒症状は、食後7-10時間で、吐き気・
嘔吐・激しい下痢と腹痛、痙攣
などを発症します。

 

重症の場合には、肝障害との黄疸・発熱・
めまい・血圧降下などが現れます。

場合によっては、脳浮腫とそれに伴う意
識障害ないし昏睡、あるいは腸・腹膜・
胸膜・腎臓・胃・十二指腸などの出血を起こすこともあります。

最悪の場合には、2~4日で死に至ることもあります。

治療法は、モノメチルヒドラジンと結合し、
赤血球造成を促進して抗溶血作用を示す
ピリドキシンの投与があります。

しかし、肝臓変性・壊死にはピリドキシ
ンはほとんど効果がないので、血液灌流
などを併用します。

 

モノメチルヒドラジンによる造血代謝阻
害に対しては、葉酸あるいはフォリン酸
の投与を行います。

毒抜きの方法は?

シャグマアミガサタケは猛毒ではありま
すが、毒抜きの方法もあるのです。

 

しかも比較的簡単な煮沸という方法です。

フィンランドではシャグマアミガサタケは
「耳キノコ」と呼ばれ、よく知られた食材です。

 

そのためか、毒性の明示と調理法に関す
る説明書の添付とを条件に、例外的に
販売が許可されています。

 

以下の毒抜き方法も、その毒抜き法に基づいています。

シャグマアミガサタケの毒抜き法

 

シャグマアミガサタケを大量の水で煮沸します。

 

その量はキノコ1に対し水3の割合とされ
ていますが、重量比にしては水の量が少
ないような気がしますね。

煮沸時間は少なくとも5分以上で、
その後大量の流水で充分すすぎます。

 

もう一度同じ煮沸をします。

 

ただし、この煮沸したお湯にも毒成分が
溶け出していますので、捨てる際には注
意する必要があります。

また、煮沸中のガス(湯気)も猛毒です
ので、室内では危険です。

 

野外の、それも周囲に人がいない場所で
行う必要があります。

 

上の画像のように、フィンランドでは
缶詰品も市販されています。

ただし、煮沸処理されたものとそうでな
いものとがあるので、缶の記載を精読し
て確認する必要があります。

 

シャグマアミガサタケを食べた人

日本でもこの毒抜き法で毒を抜き、食べ
てみたという実例が複数あります。

 

その勇気には賛嘆しますが、自分でも
やってみようとは毛頭思いませんね。(笑)

でも、フグはうまいうまいと食べるのだ
から、なんともはや・・・

その勇気ある人々が一番困ったのは、煮
沸する場所と、その際の
ガスとお湯の捨て方だそうです。

 

大方の人は、深夜の2時3時あたりに、
マンションのオープンになっている
階段か、人気のない野外で行っていました。

中には勇気がありすぎるというか、無謀
というか、屋内で窓全開でやった人もい
るようです。

 

勿論、ゴーグルとマスクは着用しています。

 

煮沸後のお湯の捨て方については、具体
的に書いていないーケースが多いのです
、推測ではそのまま下水行きなのではないでしょうか。

 

メチルヒドラジン本体ならば、一般家庭
の下水に流すなどもっての他ですが、
ここまで希釈された残留成分程度なら問題なかろうということです。

 

それでも流す時には。キノコ枯葉臭の
蒸気で室内が満たされるそうです。

いくら換気しているにせよ、ある程度
は吸ってしまうでしょうね。

 

これらの人々ですが、シャグマアミガサ
タケ試食後には特に異常なかったようですね。

 

つまり、この毒抜き法は有効であるとい
うことでしょう。

味は美味しい?

さて、肝腎のお味の方なのですが、果た
して風味絶佳だったのでしょうか?

 

実際に食した人の共通の印象は、「あれ
だけ煮沸したのに、うまみが残っている
というものでした。

それもクセが全くない旨味で、嫌う人は
いないだろうとのことです。

 

アミガサタケと比べても、数倍はうまみ
が濃いということですから、かなりのも
のですね。

 

他のキノコにないうま味で、シャグマア
ミガサタケうま味重視で食べるキノコ
という評でした。

 

歯ごたえも適度にあり、うまいことは確
かにうまいし、野菜炒めなどに入れたら
味と歯ごたえと食感でアクセントになるという話です。

 

しかし、食べる前の手間と危険性を考え
ると、ここまでして食べることもないん
じゃないか、という人も多かったですね。

 

シャグマアミガサタケは食べたし、命は惜しし。

 

結び

シャグマアミガサタケは、毒抜きせずに
そのまま食べれば、確実に死に至るとい
う、猛毒のキノコです。

 

しかも外見は脳みそそっくりで、
なんともエグイきのこなのです。

 

なのに、フィンランドでは最高クラスの
食材なのだそうです。

 

シャグマアミガサタケの毒性分は、ヒド
ラジン類の一種であるギロミトリンと、
加水分解によって生成されるモノメチルヒドラジンです。

 

その毒は、60キロの人は、1920mg、つまり
1300g食べると半分の人は死ぬ
ということになります。

 

この毒成分は、煮沸を繰り返すことで、
毒抜きができます。

 

ただし、毒抜き中でもその
ガスで中毒しますし、
煮沸した後のお湯も要注意です。

 

こんな怖くて不気味なシャグマアミガサ
タケの味ですが、実際に食べた人の話で
は、うま味が強いという意見が多いですね。・

 

しかし、その味と毒抜きの手間と危険を
天秤にかけると、そこまでして食べる必
要もないのでは、と思いますが?

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