食べ物・料理

トコブシとアワビの違いは?見分け方や特徴の違いを分かりやすく!

トコブシという貝は、アワビによく似て
いて、みるからにアワビの子供という
感じがしますね。

ところが、トコブシはアワビの近縁では
ありますが、アワビとは別物らしいのです。

そしてトコブシとアワビを見分けるポイ
ントもあり、馴れれば簡単に見分けられ
るのです。

 

それに生態面でも若干の違いもあります。

 

味の方はどちらも優劣つけがたいおいし
さですが、価格はアワビの方が大分高い
ですね。

ということで、トコブシとアワビはどう
違うのか、見分け方や特徴、それにおい
しい食べ方なども紹介いたします!

トコブシはアワビの子供?

アワビを知らない人はいないと思います
が、トコブシとはどんなものか知らない
人はかなり多いようですね。

トコブシとアワビは外見が非常によく似
ていますし、しかも味や食感も似ている
ので、簡単には判別しにくいのです。

 

そのためか、トコブシはアワビの子供と
思っている人もいるようですね。

上の画像は、左がアワビ、右がトコブシ
ですが、2つ並べればその違いはある程
度感じ取れるでしょう。

 

しかし、これを単独で見せられても、ど
ちらがアワビでどちらがトコブシか、瞬
時に判断できる人はそういないと思いますよ。

 

それでは、トコブシとアワビとはどんな
貝なのかを簡単に紹介しましょう。

トコブシとは?

トコブシの分類は、軟体動物門腹足綱
ミミガイ科トコブシ属の藻食性の巻貝
の一種となっています。

つまりトコブシもアワビも近縁というこ
とになります。

生殖時期は9-10月で、雌雄が卵と精子を
水中に放出し、体外受精をします。

 

受精卵は約1日で孵化し、トロコフォア
幼生、ベリジャー幼生、稚貝と変態を
繰り返し、貝の形に変わっていきます。

餌は貝の形になってからは、海藻を食べ
ています。

利用法は食用が主で、非常に美味とされ、
刺身、塩蒸し、煮物、缶詰と様々な食べ
方があります。

 

アワビとは?

アワビの分類は、軟体動物門腹足綱
原始腹足目ミミガイ科アワビ属の藻
食性の巻貝の総称とされています。

 

トコブシとは科までは同じで属になると
異なるということになりますね。

 

アワビの生態は、殻の内側全体から層が
付加されて厚くなっていきます。

成長した殻は、長径5cmから20cm、短径
3cmから17cm程度の楕円形ですが、貝と
してはかなり大きい方になります。

 

利用法は、やはり食用が主で、刺身、水
貝、酒蒸し、煮物とどれも大変美味です
が、最近ではかなり高価になっています。

変わった利用法としては、
新種セラミックの開発
にも利用されています。

 

アワビの貝殻は非常に丈夫で、ハンマー
で叩いても簡単には割れないほどなのです。

 

このアワビの貝殻の構造を参考にして、
割れにくい丈夫なセラミックの開発が
進められています。

この新種セラミックは、
宇宙船や人工関節、義歯などへの利用
が期待されているそうです。

 

このように、トコブシとアワビは、分類
上、軟体動物門腹足綱原始腹足目ミミガ
イ科までは同じです。

 

しかし、その下の属になりますと、
トコブシはトコブシ属、アワビはアワビ属
と異なります。

ですから、トコブシはアワビの子供では
ないわけです。

その違いと見分け方は?

トコブシとアワビの違いと見分け方は、
一番簡単な方法は殻の穴の数を比較する
ことです。

 

貝殻にある孔は「呼水口」と言いますが

トコブシ 6~9個で平均8個

アワビ 2~6個で、平均4個となっているのです。

 

両方とも殻の色は茶褐色で、赤褐色の不
規則な斑紋がありますので、ちょっと見
の外見では判断はしにくいですね。

 

やはり穴の数が一番の判断材料でしょう。

見分け方のその2は、大きさの違いです。

トコブシは大きくても12cm程度ですが、
アワビは20cmから25cm程度に大きくな
るものもあります。

 

ですので15cm以上ならば、アワビの可能
性が高いということになります。

3番目は実際に食べてみての味や食感です。

 

味の方はアワビの方が甘みが強いと言わ
れていますが、これは判断が難しいでしょうね。

むしろ食感の方があてになりそうです。

 

アワビは硬くて、コリコリしていますが、
トコブシの方は柔らかめです。

 

価格面では、アワビの方がかなり高価になります。

トコブシは、小売価格は
1kg当たり5000~6000円あたりが多いのです。

それに比べてアワビの場合は、
国産で1kg当たり2万円以上になります。

韓国ものはぐっと安く、1kg当たり1万円以下です。

生息場所は、両方とも日本海全域や太平
洋側ですが、アワビは20mぐらいまでの
深い場所にも生息しているようです。

 

これに対して、トコブシは比較的浅場
生息しているとのことです。

アワビの語源は、諸説あります。

一説には「あわぬみ(不合肉)」の意味
で、貝殻と身が合わないというものです。

 

もう一つは、「あはすみ(合肉)」で、
貝殻と身がぴたりと合うという説です。

 

しかし、この両説は完全に正反対なので、
どちらが正しいのかは、まるでわかりま
せんよね。

 

トコブシについては、岩床にいつも伏し
ているから「床伏し」というところから
きているもののようです。

 

トコブシの旬は5月から8月にかけてです。

 

この時期は産卵を控えて、たっぷりと
栄養が蓄えられているので、身が充実
しています。

 

しかし、流通量では12月が最も多くなる
ようですね。

それは、トコブシはフクダメ(福溜)
別名があり、そのために縁起物として
おせち料理によく用いられるからです。

 

トコブシの主な産地は徳島県や高知県、
三重県などで、稚貝の放流も行われています。

 

しかし、国内での漁獲量だけでは需要に
追い付かないので、主に台湾や韓国から
の輸入品も数多く流通しています。

見分け方の動画です。

 

 

トコブシのおいしい食べ方

トコブシの食べ方は、煮付け、刺身、
酒蒸し、ワイン蒸し、焼きトコブシな
ど、色々と応用がききます。

 

加熱調理しても硬くなりにくいので、
色々な料理に使えるのですね。

 

尚、調理の前には
必ず流水で充分に洗ってください。

これは付着している細菌などを除去するためです。

ではトコブシのおいしい食べ方を紹介します!

トコブシの煮込み

酒、醤油、みりんを鍋に入れ、沸騰させ
てから殻付きのトコブシを入れます。

再び沸騰してから7分ほど煮たら、火を止
めてそのまま冷まして味をしみこませます。

 

酒蒸し

鍋に殻のままトコブシを入れ、
ごく少量の酒と好みで醤油をいれます。

蓋をして火にかけ、7分ほど蒸します。

蒸しあがったら器に移し、刻みネギなど
を散らして完成です。

 

トコブシのワイン蒸し

フライパンにオリーブ油
を注ぎ、刻んだニンニクを加えて火にかけます。

 

ニンニクの香りが立ってきたらトコブシ
を加え、そこに白ワインを適量注いで
蓋をして蒸します。

時間はやはり沸騰してから7分程度です。

 

蒸しあがったら器に盛り付け、刻んだシ
ブレットかバジルなどのハーブを散らし
て出来上がりです。

トコブシの栄養成分

 

これは非常に豊富です。

 

蛋白質は勿論、
コラーゲンやアラキドン酸、ベタインやタウリン
なども含まれているのです。

 

アラキドン酸と言う栄養成分は、必須脂
肪酸の一つで、人間の身体を作っていく
上で、必要不可欠な成分です。

 

アラキドン酸は高齢になるとどんどん
減ってしまうため、トコブシを食べる
ことで補えます。

 

タウリンは、アミノ酸の中の一つですが、
その働きは、血液中の
コレステロールを下げたりもします。

 

そのため、高血圧などの生活習慣病への
予防にもなります。

 

その他、肝臓の働きを活発にし、肝細胞
を再生させる働きもあります。

 

結び

トコブシとアワビは外見が非常によく似
ています。

 

トコブシとアワビは、分類上、軟体動物
門腹足綱原始腹足目ミミガイ科ですが、
その下の属が異なるのです。

 

トコブシはトコブシ属、アワビはアワビ属
となります。

 

トコブシとアワビを見分ける方法は、
殻の穴の数を比較することです。

 

トコブシ 6~9個で平均8個

アワビ 2~6個で、平均4個となっています。

 

もう一つは大きさで、アワビはトコブシ
の2倍近い大きさです。

 

トコブシのおいしい食べ方としては、
やはり煮付けが一番のようですね。

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